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南の島の星降りて

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夜中の2時に


玄関のドアを開けると予想通りに怒られた。
「遅いわよ。どこまで行ってたのよ」
麗華さんだった。
「夏樹に聞いたら、すぐそこじゃないのよ、酒屋さん」
夏樹がすぐそこに住んでいたのを忘れたいた。
答えると余計めんどくさいことになりそうだったので、ビールとお菓子を二人のテーブルの上に出した。
二人はまだ飲むようだった。
俺は離れてひとりでアイスクリームを食べた。
「あー私も食べたい。アイス・・」
夏樹だった。
「冷凍庫に、いま、いれたからいつでもどうぞ・・バニラもチョコもカキ氷まで買ってきたから・・」
夏樹も麗華さんもうれしそうだった。

1分もしないでマンションのインターフォンが鳴った。
「わーなになに・・」
麗華さんも夏樹も俺もみんなでビックリした。
まだ、鳴っていた。
「ちょっとー出なさいよー早く。劉」
夏樹に言われてあわてて玄関に走った。
まだ、鳴っていた。
「はぃ。」
「劉かー。隼人だけど・・」
いっぺんにねむかった目がさめた。
あわてて玄関を開けるとまさしく隼人さんだった。
「ごめんな、遅くに・・麗華じゃましてないか・・」
言いながら隼人さんは玄関の靴を見ていた。
「あ、あがってください。」
「悪いな。こんな夜中に・・」
玄関に麗華さんが出てきた。隼人さんの声が聞こえたらしかった。
「お、いたか・・・」
静かな声だった。
「隼人。どうしたの・・」
隼人さんは黙っていた。
「あ、とりあえずあがりませんか・・狭いですけど」
促すと、大場から俺のマンションは電話できいたって隼人さんは説明した。
部屋に入ると隼人さんはビックリしていた。
「夏樹もか・・お前ら・・まったく・・」
夏樹もビックリしていた。
「隼人さん・・どうしたんですか・・」
俺は隼人さんと麗華さんと夏樹の顔を交互に見ていた。
「ま、ビールでも・・飲みますか?」
隼人さんに聞くと
「劉、車なんだ・・俺」
こんな時間だからそれしかないか・・って思った。
「さ、帰るぞ・・麗華」
麗華さんの肩を叩いていた。
「今日はここに泊まるのよ。夏樹もいるからいいでしょ・・」
ちょっと怒ったような顔だった。
「話あるんだ。送っていくから」
「話ならここでいいじゃない・・ここじゃ出来ないの」
冷たい言い方だった。
俺も夏樹も黙って聞いていた。でも、俺も夏樹もたぶん何の話だかはわかっていた。バカではなかったから。
麗華さんだって知っているはずだった。
緊張した空気が流れていた。

作品名:南の島の星降りて 作家名:森脇劉生