身近な怪奇
『学校―校庭―』
ここは、僕の通っている○×中学校。
ここでは奇妙な噂があとをたたないんです。
僕も最近変な体験をしました。
僕は野球部で、友達の廉と後片付けをしていたときのことです。
「なぁ、功治。」
「何?」
「最近、妙な噂が流行ってんだけどさ・・・お前知ってるか?」
「噂?何の?」
「校庭にさ、でるんだってよ。」
廉はボールの入った籠を降ろして、自分の胸のあたりで手をぶらぶらしてみせた。
あぁ、なるほど。
「へぇ・・・。どんなのがでるの?」
「俺もちょっとしか聞いてないんだけどさ。ここ最近、小学校低学年ぐらいの女の子が校庭の隅っこにしゃがんでるんだって。そんでその子、ブツブツ何か言ってるみたいなんだけど何言ってるかは分からないらしい。この前高沢がその子を見かけたらしいけど、ちょっと目をはなした間にいつの間にかいなくなってたんだって。」
“んで、高沢はその子をみた次の日、熱出して休んでたしな。あ〜、おっかねぇ!”と、廉は自分の両肩を擦ってみさた。
僕はその話を聞いて、どうせ子供が悪戯心で校内に入ってそんなことをしているんだろうと思いました。
僕は先に片づけを終え、そそくさとその場を後にした。