あいしている
生涯、物書きをつらぬいた。
しかし社会からは排除されてしまった。
自分の流した血を、汗を、毎日見ていたかった。
ぼんやりとした目で「何故生きているのだろう」などと考えたくなかった。
書ければ生きている実感が湧いた。
書いているだけで良かった。
それだけで良いはずだった。
しかし、必ず他人がいた。
他人は私を認めなかった。
私も他人を認めなかった。
最後になった今、こんなに無念だと思うのは、
多くの人間に、認められたかった。
必要とされたかった。
そういった欲求が私にもあったからだろう。
そして、他人と自分をあいするために、私はこれを書いている。