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ツカノアラシ@万恒河沙
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novelistID. 1469
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ひとでなし

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二人は器用に会話を分割して喋る。どのようにしたら、そんなワザができるのか私には皆目見当がつかなかった。女の顔に浮かぶ苦笑いに似たもの。そして、美少女の手がついと上がり私の背後を指差した。顔に浮かぶは花が綻ぶかのようなとろりとした笑み。思わず見惚れるほどに美しい笑み。私が気を取り直して慌てて振り向くと、そこには彼女が立っていた。私が殺した筈の彼女。毎夜、夢に現れる彼女。腐り果てた彼女が、手招きをするかのように私の方に手を伸ばしてくるのです。驚愕で身動きできない私を白い骨が覗く腕が抱きしめたのでした。
そして、私と彼女は腐乱して、血肉がどろりを溶け合って行くでしょう。それを思って、もう動かない筈の私達の頭蓋骨の顎がかたんかたんと笑ったのです。
あとに残るは腐った花の匂い。