ちょっとだけ
ふと、そんな疑問を抱いた。
中高生あたりがよく思う、そんな馬鹿みたいな疑問だ。
生きるってなんなの?
死んだからってどうもなんないだろ?
とかなんとか。
知識が、世界が広がって、思うのだろう。
……まあ。
それは本当の、本当に少しだけれど。
未成年は世間的に、というより実際にそうなのだけど、
まだまだ子供な時期だから。
色んなことをしてみたくて。
それでそれを、ついやってしまう。
そんな時期。
多分そう。
間違っててもいいけど。
……と。
少しばかり話がずれている。
まずいまずい。
実はまずいことなんてひとつも無いけど。
なんとなくノリで思ってみたりして。
というかさっきの生きてるとかなんとかってのもその部類だったり。
目の前の光景を見て、ふと思ってしまっただけ。
んで。
現在の状況を一言で言うなら。
目の前で人が自殺しようとしてる。
場所は屋上。
自殺の動機はいじめらしい。
さっき、というより今も本人が言ってる。
今、唯一の目撃者である自分を見ながら、自分の思いとかやられた事とかを喋ってる。
きっと。
せめて死ぬ前に、自分の思っていたことを分かってくれる人が欲しかったんだろう。
偶然に──嘘。
偶然なんかじゃなく、いつもと同じく。
いつも通りに、屋上にいた自分は出会ってしまった。
泣きじゃくる彼女に。
……あれ。
今気づいたけど、さっきのまずいってのはこの状況にピッタリかもしんない。