LOVEとかPEACEとか
彼女は唐突に叫んだ。
「……ん?」
唐突の大声に、少年は少女──加賀緑の発言に声をあげた。
しかし緑は怪訝そうな顔をする少年を置いて、一人突っ走る。
「やっぱり、現代はLOVE&PEACEなんですよ!いままではなんとなく確信が持てていなかったのでハッキリとは断言できていなかったんですが今!ようやく結論を出すことができました!ああもうなんで今まで確信が持てなかったんでしょうね私!こんなに素晴らしい言葉に疑いを抱いていたなんて!愛と平和!LOVE&PEACE!これ以上に素晴らしい言葉は──」
両手の拳を力強く握り締めながら緑は力説する。
素晴らしい、
これ以上の言葉は無い、
そんな言葉を幾度となく繰り返し、繰り返し。
……そして、少女が語り始めてから数十分後。
「と言うワケで架塚さん!愛してます!」
と、そう締め括り終わった。
「……はぁ」
またか、と言いたげなため息。
というか実際。
架塚にとっては、緑の告白は日常茶飯事だった。
あるときのこと。
道端に倒れた少女がいるのを架塚は発見した。
何事かと近寄ってみれば、腹の付近から音がする。
更には「……ご……、はん」などと息も絶え絶えに助けを求めるような声が。
これは大変だと手持ちのソイゾイを与えてみれば、2秒と経たずうちに腹の中。
それに驚いていた架塚が固まっていると、突然少女はがばりと起きて。
架塚にキスをした。
それに更に更に驚いた架塚はもう銅像がごとき固まり具合。「好きになっちゃいました」と顔を離した少女は頬を赤らめ言ってくる。
なんだよそれはヒヨコかなにかかお前はと内心架塚は突っ込むも声には出せず。
そんななんやかんやが二人の間にはあって。
作品名:LOVEとかPEACEとか 作家名:もぶ