与謝野晶子、それから全てのおんなへ
女の子は、うそをつく。
女の子は、傷つく。
女の子は、
残酷。
触れた手が、ふしくれだっていて、爪がいびつなのに気づいて、次に色んなことに気づいた。
女の子は、世界で一番残酷な生き物だったのだ。いつだって被害者ぶることができる生き物なのだ。
それに気づいたのが、この女の子の牲のような人に出会ってからだった。
乱れた髪が悲しい。
「大丈夫ですか?」
こくこくと、おもちゃのような頚がを揺らし頭を縦に振る。その姿に悲しみが増した。
与謝野晶子は、男だって髪が乱れることを知らなかったのだろうか。
涙でぐちゃぐちゃになった顔に張り付く一筋の髪を見ながら思った。
作品名:与謝野晶子、それから全てのおんなへ 作家名:おねずみ