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DEATH GAME 第1章

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   プロローグ

春の心地よい季節がきたと思ったら、

夏に向けての一降りがきて、一段と暑くなった日。

生徒たちは、額に汗をかきながらいつもの一本道をとおる。

道の両端の木々たちは、青々と葉をなびかしている。

学校に向かう生徒達は、いつものとおりに、友達と話している。

楽しくのんきで、平和であった。


『いつものとおり、その日は始まった』




第1章 『いつもの日々』

光が丘中学校 3−1のクラスでは、いつものとおりさがわしく始まった。

3−1のクラスは全員で30人であって、男女ともに15人である。

クラスのほとんどは、小学校のときから一緒で、

みんな仲がよく、私語のたえないクラスであった。

むろん、クラスをまとめる必要があるので、

みんなのリーダーであった、白鳥 翼(しらとり つばさ)は、毎日が大変だった。

身長は、それほど高くなく、髪も目立つ色でもなくて、

簡単にいうと平均的な中学三年生である。

運動は多少できて、市内の大会で、2,3回賞をもらったこともある

また、責任感が強かったという理由で、

小学校のときから、学級委員を毎年勤めていた。

勉強もそれなりにできて、クラスの子が授業についてわからないところがあったら

自分の時間も割いて、わかるまで教えた。

その人柄もあって、男女どちらにも信頼があった。

つまり、クラスのみんなにとっては翼は、頼りになる存在であったのだ。

「みんな静かに!1時間目が始まるよ」

と、翼はいつものとおり言ったが、私語は止まるはずもなかった。

なぜなら、明日から夏休みであったために、

普段おとなしい、東城 理央 (とうじょう りお)で、さえも

「夏休みどうする?」

「どこに行く?」

など言っていた。

東城 理央は、自分と昔から仲がよく、幼稚園のころは毎日遊んでいたほどだ。

かくれんぼ、おにごっごなどで、遊んでいた日々を今でも覚えている。

小学校のときでは、持ち前の明るさと、頭の良さで彼女の周りには必ず誰かがいた。

だが、それは小学校のときだけのことだった・・・。



彼女が6年生の時であった。その日はたしか小学校最後の運動会だった。

たくさんの保護者などが来た。無論、自分の両親も来た。

しかし、彼女の両親は来なかった・・・。最後まで・・・・。



      



    その日、学校の近くで交通事故があった・・・。



トラックと乗用車の衝突事故であった・・・。

乗用車の中にいた男性は事故直後、即死、

助席に乗っていた女性は、近くの病院で息を引き取った・・・。

その女性は最後に、

「・・・ごめん・・・行けなかった・・・・」

といって亡くなったそうだ・・・。

そう、2人は東城 理央の両親であった・・・。



もちろん、自分も葬式に出た。小さな葬式であった。

彼女も居た、だが、彼女であって彼女ではなかった・・・。

ずいぶん泣いたのだろう、どれだけ憎んだろう、どれだれ悔しいと思ったんだろう・・・

彼女には表情がなかった。



そこから、彼女は変わってしまった。毎日来ていた学校に、来なくなった。



心配した自分は、彼女の家に行った。

ひさしぶりに合った彼女は、前のとおりの彼女ではなかった。

彼女には笑顔が無かった・・・。

そして、自分を見た彼女は泣いた。我慢していたんだろう。

大粒の涙がしたたり落ちる・・・・。

最初で最後の彼女の見せる涙――。



それから、学校に来るようになった。

中学生になって、だんだん彼女が笑うことも増えていった。

そして、今日も笑顔を見せた。

あの時が、嘘のようだっだ。



クラスでも、夏休みの話がもちきりであった。

そのこともあって、時間は早く進んだ。



帰りのチャイムがなり

その日の6限の授業であった社会が無事に終わったのであった。

「もうわかんね〜よ、起訴てなに? 社会無くなればいいのに!!」

と、クラスでも1,2を争う馬鹿の、荒川 亮治(あらかわ りょうじ)が、

先生が、まだいるのに大声を出した。

「おいバカ!先生がまだいるぞ!」

と、亮治の親友である、猪上 優希(いのうえ ゆうき)が、亮治の肩をひっぱりながら

言った。

クラスは、大きな笑いに包まれた・・・。

いつものとおりのクラスであった。いごごちのよい時だった。

このとき、クラスのだれもがこの授業が、人生で最後の授業だと知るよしもなかった・・・・。



いつもと同じで、翼はクラスの 中山 光輝 (なかやま こうき)と、

若山 寿樹 (わかやま としき)の、二人と家に向かった 

いつものとおり、何気ない話をした

「で、あの後に亮治は呼び出しをくらったって」

と、寿樹は笑いながら二人に話した

「あたりまえだよな。あんなに大声で言うんだぞ!笑えるよ」

光輝は、腹を抱えながらゲラゲラと笑いながら言った。

商店街を通り、夕暮れが目にしみるとき、木が鬱そうとしげる十字路についた。

翼の家は、光輝と寿樹の逆方向なので、2人にいつものとおり

「また明日、学校で!」とつげて、歩いた。

それから歩き続け、自分の家まで10m付近までになった・・・。

すぐ近くにあった。

だが、翼は家には着くことはなかった・・・・。




翼が最後に見たのは、血を纏う赤い蛇の刺青であった・・・






第2章は、8月上旬に公開!!
作品名:DEATH GAME 第1章 作家名:IURA