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ブーツが似合わない

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鬱々とした気持ちで爪先を眺めた。淡いベージュのブーツは、ファーで縁取りされた如何にも女の子、といったものだ。着ているポンチョ風のコートとあいまって、自分でも悲しいかな、子供っぽいと思ってしまう。
顔立ちのせいか、日本成人女性の平均より低い身長のせいか、通りを行く人々は、可愛らしい高校生、人によっては中学生が1人でベンチに腰掛けていると思っていた。
「うわ、中学生かと思った」
一番痛いとこをつく声は軽やかで、いつものからかいだと分かっているのに、沈んでしまったこころはその言葉を受け流せない。

爪先でこつんと、転がる石ころを蹴った。


作品名:ブーツが似合わない 作家名:おねずみ