不穏な日曜日
「その言葉は不誠実だよ」
穏やかに警告された。
あまり親しくないというのはある点に於いて大変よいことなのかもしれない。金崎は思った。それから、白木の横顔を見た。鼻梁は立派に、すらりと。彫りが深いためか大層美しい横顔だ。
金崎と白木はたいして親しくはない。金崎にとって白木は、友達の部活の先輩の友人、それでいて同級生という何とも微妙な位置だった。しかし彼のエピソードはたくさん知っていた。
それは彼が有名人だったからかもしれない。
「白木くんも多分僕とおんなじタイプやね」
云うと白木は眉をひそめた。
「まあ、自覚はしてるよ。多少なりとも」
同属嫌悪。そんなことばがある。しかし金崎は白木を好ましく思った。
グラウンドに、休憩終了をしらせる笛の音が響き渡る。