プリーズ・ヘルプ・ミー
ずいぶん勝手なお話ね。
「やっぱり俺、オマエじゃなきゃダメなんだ」
嘘ばっかり。ついこの間まで、彼女に夢中だったくせに。
そりゃあね。
爽やかに朝を告げ、眠るまでやさしい歌を囁き、楽しいおしゃべりもきかせてくれる。
ただ煩いだけのわたしに比べたら、さぞ魅力的だったでしょう。
でも、わたし知ってるの。
利用するだけ利用して、アナタ、彼女を棄てたのよね。
「明日は大事な試験なんだ。起こしてもらわないと困るんだよ」
知らないわ。無理なのよ。
だって、わたし。
「あー、この目覚まし何で動かねえんだよ!」
電池が切れてるんですもの。
作品名:プリーズ・ヘルプ・ミー 作家名:さふらん