そうなんです垂れ目なんです
「お前ってあんがいたれ目なのな」
眦を指差され云われた。ガラスに映る顔を見る。あら、ホント。意外と気の弱そうな顔をしている。だからか、黙っていたら痴漢に遭いやすいのは。
「そういうあんたは意外と釣り目だね」
ストローで眦を示すといやそうな顔をした。潔癖症め。
「笑ってるとごまかされるからな」
「なんであたしたれ目だと意外なの?」
「気強いたれ目ってなんか意外じゃね?」
「そんなもんか?」
「そんなもんじゃね」
「マンガの読みすぎじゃね」
とりあえず笑った。
作品名:そうなんです垂れ目なんです 作家名:おねずみ