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憧れは憧れのままで

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 まだあげそめし前髪の、そんな言葉で始まるうたを君に。


夕日に影がのびる。
どうしようもなくなってそっと手を握った。
途方にくれるって多分こんなことなんだろうな。
分かち合うことと記憶はたくさんあって。
譲り合うことはできなくて。
気持ちはたしかにお互いにむかっているのに互いをとりまくものが邪魔でしょうがない。


「今なら阿部定になれる」
賢い人は好きだ。言葉の意味を受け取ってくれる。
「えぇ。子供ほしいし」    
立ち止まる姿はまぶしくて見えない。
「お前はきっと素敵な家庭を築くよ」

「それをあなたから聞くのは苦しい」

誰が悪いかは分からない。
夕日が沈む。
お前、知ってた?初恋は実らないんだよ。ねえ、お前の子供の名前予言してあげる。


「お前はかわいいね」

泣きそうな顔しないでよ。

手を繋いで道端で途方にくれるって、バカらしいね。



作品名:憧れは憧れのままで 作家名:おねずみ