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 ここで夢から覚めた。外はまだ真っ暗闇だ。
 不思議な夢だ。夢は深層心理を映し出すという。僕は無意識のうちにこんな世界を夢見ていたのだろうか。
 もう一度寝ようと思ったが、夜中に不意に起きてしまったので眠れない。仕方ないので夢の内容を思い返した。
 久しぶりに見た家族や友達の顔は、何故か死んだ時より年を重ねていた。ちょうど生きていたらあれぐらいの歳だろう。そして夢の中で僕は勉強をしていた。現実では勉強なんてしたことがない。学校が無かったからだ。
 なんとなく夜空を見上げるとふいに空が明るく光り、爆音が聞こえた。次いで銃声。悲鳴。――敵襲だ。
 周りの兵士たちもその音に飛び起きる。一足先に起きていた僕は銃を片手にテントを飛び出した。西の空を見れば真っ赤に染まっている。前線を突破されたらしい。
 やっと出てきた兵士たちを僕は指揮する。慌ただしく動き回る兵士たちに徐々に近づいてくる銃声。燃え盛るテントに銃弾に倒れる兵士。僕は敵に向かい銃を乱射する。
 
 これが僕のいつもの日常。そして現実。
 次に寝るときも、あの非現実的なほどに平和な夢を見られるだろうか。
作品名: 作家名:ト部泰史