少女機械人形コーパス 第一幕
12月19日
午前9時00分
コーパス作戦室
<背景コーパス作戦室SEどよめく人々>
左文字
「どういう事だっ?!」
土方
「先の戦いで殲滅したと思われていた白い球体のヴィロネカートですが、どうやら生きていたようです」
左文字
「生きていたっつっても……あれはジョエルが完全に……」
野柳
「どうやらわずかながら残った細胞が再生を始めたようだな」
左文字
「んな事出来んのかよっ、あの化け物は!」
野柳
「出来ているのが現実だ」
尾ヶ崎
「前回の形状にまた戻ろうとしているのならば、現在の再生率は46%といった所です」
左文字
「再生速度は?」
土方
「毎秒0,01%、このまま行くと90分後には再生が完了すると思われます」
左文字
「90分……!」
野柳
「前回は有無を言わさず現れたんだ。それに比べれば今回は随分と恵まれているじゃないか」
左文字
「それにしたって、完全に殲滅なんて出来るのか……」
野柳
「それを考えるのが君の仕事だよ、左文字参謀長」
左文字
「……っ!」
野柳
「……まあ、実際無理だろうがね」
左文字
「……っ。今回は前回同様ヴィロネカートの撤退、撃破を第一とします」
野柳
「賢明だね。完全な殲滅は不可能だ。専用装備だって開発されていないのだから」
左文字
「ですが、野柳博士。我らにあるのはデーケルターレ一体のみ。そしてまた再生を繰り返すヴィロネカートも一体。逆に考えれば実に都合がいいじゃありませんか」
野柳
「ふふっ。君のそういう所が、私は好きなんだ」
左文字
「……光栄ですよ。で、パイロットは?」
池峰
「今回は七々原を使う」
左文字
「了解しました。七々原は一通りの訓練も終えています。デーケルターレの操作も中々のものです。必ずやご期待に応えられるだろうと思います」
池峰
「頼もしい限りだな」
野柳
「パイロット及びコアの準備急げ」
土方
「はっ!」
作品名:少女機械人形コーパス 第一幕 作家名:有馬音文