テスト 序章その一
学校全体の授業から見れば週で四コマ分でしか無く、その中でも本文の中から話を読み解くというものの占めている時間というのは大したものじゃない。音読して間違いを突っ込んでいる間に授業時間の半分を費やすなんてのはよくある話だ。だがやはりあのように文章を読み解くという行為からこれとこれとの対立であると結論を出していくことから始めていった森津先生にはどこか独特な「クセ」があったことは確かだろう。
あるいは教科書で扱っていること自体がそういう風に指導する前提であったのかもしれないし、自分自身に返ってきた半分より下の得点であった解答用紙の模範解答の第一文に「AとBの二項対立からこの分を読めるかが最大のポイントである」・・・なんていう文字が踊っていたからか。今となっては果たしてどういう意図を持ってして対立構図を示し続けていたのかはわからないが、これから起きることはそんな小さなことがどかどかとぶつかり合う所に自分は放り込まれてしまうこととなった・・・。