■スイカネット
きつね君はちょっと神経質で難しい性格なのだが、
なぜかいつも年増の美人と付き合っている。
しかし、よく見ると影がなかったり
脚がやけに小さかったりするので、
相手はたいてい幽霊か狐なのだった。
夏になるとやたらとスイカネットを作って
コンテナBOXに溜め込むのが趣味なのだった。
今年もさっそく狐のお姉ちゃんを指名して量産を開始した。
編む係の狐はだるくなった脚を
きつね君の鞄に乗せて作業をするので、
彼の鞄の横腹にはしずくの形をした
小さな踏み跡がいくつも付いているのだった。
〔終了〕