ごめん
夕日に照らされた教室。
こちらを向く零の頬が赤い気がするのは、きっと夕日のせいだと思う。
「俺……け、圭輔の、ことが」
「……好きだ」
……。
………。
……………。
「……はッ!」
きょろきょろ。
そこはいつもと同じ、自分の部屋だった。
「夢、か……」
呟いてみて、少しそれを残念に思う自分がいるのに気付く。
「え、ちょ、やばく……?」
言いながら、
『夢は願望の現れ』
とかそんな言葉が思い浮かんでしまった。
嘘だ……。
そんなワケがない。
だって、ありえないだろう。
もし、そうならば。
俺は───
零に告白して欲しいと、
そういう風に思っているということになってしまう。
まさか。
ありえない、絶対。
自分が心の底では零にそんな感情を抱いているなんて、そんなこと。
「…………寝よう」
そう思って瞼を閉じた瞬間、次々と零の顔が浮かんできた。
怒ってるときの顔とか、
ちょっと涙目のときとか、
寝ている時の無防備な顔。
どんどんいろんな表情を思い出していく。
───嬉しそうに笑ってる顔。