01:『友達』とねむり。
……なに、やぶからぼうに。
…いや、さぁ。たま~に思うんだよね。
『友達』と『クラスメート』
『友達』と『親友』
『友達』と…『旧友』?
その違いってさ、なんだろうって。定義があったらいいのにね。
また小難しい事を…。なに、ま~た何か言われた。
ははは…。うん、まぁ。ほら、私ってさ、授業中寝ちゃうじゃん?
あぁ、見てていっそ清々しいほどに寝てるよね。ある意味尊敬する。
好きで寝てるわけじゃないっての…。ま、ね。寝ちゃいけないってわかっててもさ、意識が落ちちゃう時ってあるんだよ。ことん、てさ。
…まぁ、そこは人それぞれだから、別にいいけど。
でさぁ?やっぱ自分が悪いとは知ってても、それを指摘されればやっぱりはぁ、がんばんなきゃなって思うわけね。
それは当然。
……。相変わらずはっきりきっぱり。
でね、別にそう言われるのは嫌いじゃないんだ。ちゃんと心配してくれてたり、まぁ、自分が嫌だからっていう理由かもしれないけど、見苦しいよって、言ってくれる存在はさ、貴重だと思うの。
ふむふむ。
でもさ、それと嫌味は違うと思うのよ。
…嫌味の定義って何。
あ、そう言われると答えづらいなぁ…。とりあえず、笑いながら当人にいう悪口はすべて嫌味に分類してるけど。
ん~…んじゃ、それはまた今度ね。で?何か言われたんだ。寝ちゃってて。
うん…。今回はさ、寝てたって言う意識なかったんだよね。ちょっと机に突っ伏して動いたりはしてたけど、ふつーに、『寝てた』って言う意識がなかった。から、遠回しに遠間話しな事を言われた時、まず理解に苦しんだ。
理解に…そこまで遠回しか。
うん…。まぁ、理解できなかった私が悪いのかもしれないけど…。
あ~…まず、それ止めなさい。
?
その、何でもまず『自分が悪い』に走る傾向を止めなさいっての。自分を省みることは大事だけど、それと『卑屈』は違うわけ。自分が自分を貶めてどうするよ。自分を誇れるのは自分だけなんだよ?安っぽいプライド何かはどんどん捨てていいけど、最後の最後まで守らなきゃいけない『自分』はあるんだから。まずそれは止めるように。
…努力する。
そうだね。あと、その人がどういう人か知らないけど、今回限りなことだったら気にせずにいた方がいいかもね。
寝てるってのは幾度となく指摘されててそろそろ笑って話されるくらいになって来たんだけど。
……それは、寝るのが悪いってことにしておこうか。大体何で寝るの。
夢見が悪い。うなされっぱなし。毎日。
…頑張ろうね。
うん。
でも基本的に悪口でも笑顔で無意識スルー機能付きのあんたが気になるほどになったってんなら、それは初めてだったんでしょ。だったらこれもスルーしときなさい。
いや、好きでスルーしてるわけじゃないよ!いちいち気にしてたら身体壊すと思ったからだよ!
なら、今回もスルー。……で、その事の関係をもう一回見直してみようか。
……はぁい。
よし、じゃあ…どうしよう、『友達』の定義にでも戻る?私としては『親しさ』の度合だと思ってるんだけど。
……あぁ、そう言う考えも、
あるのか。
作品名:01:『友達』とねむり。 作家名:佐上 礫