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まっちょぷりん
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novelistID. 9895
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夜明けの階段

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プロローグ


――あーあー、本日は晴天なり、本日は晴天なり。
ようこそいらっしゃいました。 この奇妙な世界へ。
きっと貴方が見聞きした話や、似たようなお話もあるでしょうが、
それはご愛敬って事で! ご容赦下さいな!

まず、手始めに人を狂わすにはどうしたらいいか? をお話ししましょう。
凄く簡単なんですよ。 “アイツ、いなくなってくれたらいいのにな”とか、
“早く死んでくれたらいいのに”と、思っていたら試してみるのも良いかもしれません。おっと、口が過ぎました。 とっとと本編に入りましょう。

方法、でしたね?
まず物音一つしない暗闇の空間を用意してください。
壊れた無線機があると尚いいですね。 その空間に人間を放り込むだけです。

たったこれだけ。 これだけで、その人間は狂ったように無線機にすがるでしょうね。
助けて欲しいから。 あ、そうそう。 勿論全裸じゃないとだめですよ?
ほら、死なれたら困るでしょう? ね?

大事な事を言い忘れていました! そうそう! 水は飲めるようにしておかないと、
死んじゃいますからねぇ。 1週間もそんな所に閉じ込めてたら。

それじゃ、1週間後を楽しみにしてますね。 ばっはは~い。

――バタン。

目の前の小男はそう明るく告げて、扉の向こうへ消えていった。

作品名:夜明けの階段 作家名:まっちょぷりん