プロローグ
どこからか声がきこえる。
「え?」
おもわず問い返す。
『目覚めよ!タマンチョス!』
声の主は…
手に持っていたDSだった。
『わたしの中に入るんだ!』
再び声がする。
「な、なんだよおまえは?」
DSに対して聞き返す。
『わたしの中に入って主人公になってはみたくないか?』
「そりゃ…そんな事できたらいいけどな♪」
思ったことを口にした。
こんな状況に驚いていない自分に驚いたwww
『その願い、叶えよう♪』
「え…?うわっ!」
DS本体の中にひきずりこまれていく。
何がおこってるんだぁぁぁ?
「う~ん…」
気がつくとそこには、確実に自分の部屋じゃない風景が広がっていた。
「こりゃ…いったい…」
小鳥のさえずり、川のせせらぎ、
気持ちのいいところだったが、
自分の目の前あたりの空中に
【タマンチョス Lv1 HP30】
って、文字が…ふわふわと浮いていた。
俺が動くのに併せて…コレも動く。
なるほど…RPGの主人公になった気分だwww
『わたしの中に入って主人公になってはみたくないか?』
「ほんとにDSの中に入ったのか…」
少し、嬉しくなった。
だが…
「どうやって元の世界に戻るんだ?」
と、不安になってきた。
よく見ると…近くに町がある。
「よーし、何事もポジティブに考えよう♪」
そう心に決めて町に向かった。
「しかし…待てよ!町の中スタートじゃないとするとだな…」
やっぱり…出た!
モンスターだ!
ぷにぷにのゼリー状のが草むらから出てきた。
うん…弱そうだwww
【モンスターの先制攻撃!】
文字が出た。
【タマンチョスに10のダメージ!】
モンスターの体当たりをくらった。
「痛ぇええええええ!」
俺の前にあるアレの表示が変わった。
【タマンチョス HP20】
モンスター強ぇええええええ!
HP残り20ってwww
これ0になったらどうなるの?
【どうする たたかう 道具 にげる】
考えた。
逃げたくはないし、道具だって無いだろうから…
「たたかう!」
と、叫んだ!
【攻撃 魔法 とくいわざ】
なるほど、こうやって戦うのか♪
じゃあ…
「魔法!」
【まだ魔法は使えません】
「ちきしょう!」
なら…
「とくいわざ!」
【土下座 金を渡して逃げる】
俺、しょべぇええええええ!
何で、こんなへたれスキルしかないんだぁああああああ!
しかたない…
「たたかう!」
武器が無いから…ぶん殴る!
【モンスターに1のダメージ!】
俺…弱ぇええええええ!
【モンスターの攻撃!】
「ぐあっヤベェ!」
痛ぇええええええ!
【タマンチョスに10のダメージ!】
鬼ヤバくね?
俺…死ぬんじゃね?
【どうする?】
ほんとにどうしようwww
「道具!」
苦しまぎれに言ってみた。
【装備品 アイテム だいじなもの】
「装備品…?」
そう言うと、
【ひのきのぼう】
が、装備できた♪
俺、武器持ってたのかよっ!
なんで最初から装備してないんだよwww
しかし…『ひのきのぼう』って…
こんな小枝みたいなもんでwww勝てるのか?
まあいっか♪
「たたかう 攻撃!」
こんどは武器を振り下ろして攻撃!
【モンスターに50のダメージ!】
【モンスターは大量の血反吐を吐いた!】
【モンスターは首の骨を骨折!】
【モンスターは痙攣している!】
【モンスターをやっつけた!】
ぱららぱっぱてれれれ~♪
【タマンチョスはLv2になった!】
【42の殺し経験値を得た!】
「後味…悪いわっ!罪悪感でどうにかなりそうだよっ!ばかっ!」
どこからか音楽が聞えてきた!
誰だよお前?って
言いたくなるほど無名なバンドが歌う
オープニング曲だった!
【カッタールイスがあらわれた!】
「何か…強そうなの出てきた~~~?」
【モンスターの攻撃!】
ズバババババッ!
【タマンチョスに9999のダメージ!】
痛ぇええええええ!
嘘やろっ?
【タマンチョスは倒れた…】
「う~~~ん…はっ!ここは…?」
『おお!タマンチョスよ…死んでしまうとは情けない
頼りない…不甲斐ない…甲斐性な…』
「そこまで言われる筋合いは無ぇええええええ!」
『じゃ、次は…恋愛シュミレーションで、いこっか♪』
「いや…だから…そういう問題じゃなくて…うわぁああああああ!」
タマンチョスは時空の渦に飲み込まれていった。。。