遊戯園
-絡繰り-
作り物の羽根を広げて
飛べる気でいた
溶けていく足下にさえ気づかずに
錯覚ばかりの明日への予感でいっぱいだった
作り物と気づかなかった私は
油もささず 螺子も巻かず
ただ空を見ていた
飛び立とうとして見えたのは
汚れた地面だけだったのに
飛べた気になった
-おままごと-
あの頃
君を奪ってしまう風が吹くことなんて
しらなかったんだよ
ずっとずっと
繰り返しだと想っていた
あざ笑う事も出来ず
教えてあげることも出来ない
今の私を 君は責める?
-息継ぎ-
息継ぎなんてしないで
愛し続けていて
信じられるものがあるなら
目を瞑ることだって出来る
どうか僕を信じているなら
どんな風景の中にも僕を見付けて
いつか僕が泡になってしまっても
君の中にいさせて
ちっぽけな僕の声は
君になんて届きやしないけれど
僕には届くから
-風船-
漠然と いつか走り疲れて倒れ込むと思っていました。
熱いアスファルトに触れた膝がささくれていました
ぐるぐる回る世界で
文字という呼吸さえ窒息していきました
みんなが不快になるような自分ではダメだ
そう思って
何かを詰め込んでいる 私は何なのでしょうか 何なのでしょうか
風船なのでしょうか。
-沈黙-
ねぇ
沈黙の鮮やかさを知っている?