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宮城野アリス
宮城野アリス
novelistID. 9620
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殺神論者の純愛

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【殺神論者の純愛】




「神様がいるなら、俺はそいつを殺すね。何故?だって俺以外人間を愛する存在なんていらないだろ。神より俺は人間を愛してるつもりだ。もちろん、誰よりも、ね。それに、神はシズちゃんだって愛すだろ?あんな化け物でも人間だと、無償の愛を注ぐだろ?あぁ、考えただけで吐き気がするね」
「つまり、貴方は平和島静雄が取られるのが嫌なのね?」
「なんでそうなるの?俺の話聞いてた?なんか考えただけでサブイボ出たんだけど!ほら見てよ?」
「見てどうするのよ。気持ちが悪いからコート脱がないでくれる?」
「冷たい!波江が冷たいよ!」
「今さら何言ってるのよ。それに私、誠二の肌以外は見ないって決めてるの」
「波江キモーイ☆」
「やり返したつもり?私は痛くも痒くもないけれど」
「あぁ、なんでこんな奴秘書にしちゃったんだろ……人選間違えたな、俺」
「で?結局貴方は何がいいたいの?」
「つまり、神だろうがなんだろうが、俺よりも多く人間を愛そうなんて許さないってこと」
「あら?なら、平和島静雄も人間ってことになるわね?」
「化け物は化け物だよ、波江。美女と野獣みたいに、化け物が人間になれるのはお伽噺の世界だけだ」
「貴方の言ってることは矛盾しているわ」
「矛盾?矛盾なんてしていないさ。言ったろ?神を殺せば、俺よりも人を愛する者はいなくなる。俺だけが人間を愛する!平和島静雄以外の人間を!これ以上素晴らしいことはない!最高だ!!アハハハハハ」
「………………、この鈍感男」
「ハハハっ!なんか言ったかい、波江?」
「いえ、何も」
「なんか、久しぶりに長く喋った気がするなぁ。運動したらお腹空いた」
「私は池袋の寿司屋に行きたいわ」
「え~、俺やだよ!今日絶対シズちゃんに会う気がするもん」
「だから行くのよ」
「え?なにそれ?俺に死ねってことかな?」
「大丈夫よ、逃げ足だけは早いんでしょ?貴方」


【殺神論者の純愛】


「貴方は、平和島静雄を誰にも渡したくないのね。神にも、もちろん自分自身にさえも。だけど、逃げてばかりいるから、人間以上に彼を愛してるってことに気づけないのよ、この鈍感男」











※次ページに言い訳など

作品名:殺神論者の純愛 作家名:宮城野アリス