小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

FLASH

INDEX|18ページ/95ページ|

次のページ前のページ
 

 そこには、今より少し若い鷹緒と一緒に、見知らぬ女性と小さな女の子が写っていた。
「え、なに? これ……」
 沙織は驚きと同時に、何も考えられなくなっていた。写真を手に取ってみるものの、信じ難いことが浮かぶだけだ。まるで若い家族のような写真である。
 その時、部屋の電話が鳴り響いた。沙織が慌ててまごまごしていると、鷹緒が目を覚ました。
「ん……」
 目を擦りながらの鷹緒と、沙織の目が合う。
「うわ、沙織! なんでおまえがここに……」
 起きたての鷹緒は、沙織を見て驚いている。沙織も突然のことに目を泳がせながらも、口を開く。
「よ、様子を見にだよ……俊二さんも一緒に」
「はー、脅かすなよ……」
「それより、電話出たら?」
「んー……」
 嫌そうに、鷹緒が電話の受話器を取る。
「はい。ああ、どうも……」
 鷹緒が電話の相手と会話を始める。沙織は写真を持って見つめたまま、しばらくその場に立っていた。
 すると、電話を終えた鷹緒が、沙織の持つ写真を奪うように取り、棚に戻して歩き出した。
「ねえ、この写真の子……」
 部屋を出て行こうとする鷹緒に、沙織がやっとそう口にする。
「……俺の子供だけど?」



作品名:FLASH 作家名:あいる.華音