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愛と性欲 そして波平

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この世にはエロスがはびこっている

嫁が出て行ったのは二月の末だった

俺は仕事をしていた、メールに気づいたのは夜の七時ぐらいだった

何も言わないで出て行ったのはごめん、しばらく一人でゆっくり考えたいとの事だった

それから一ヶ月、メールと電話で話し合って決めた事とはいえ、悔やむ事が多すぎる

たった一ヶ月で七年積み重ねたものが0になってしまうのが嫌だった

でも分かれるのなら早いほうがいいのかもとも思った

まだ彼女は26歳だから遅くない、いい男なんていっぱいいる

仕事もどーでも良くなった、社長と喧嘩なんていつもの事なのに、その日は最初から辞め

ると決めていたので向こうもビックリしていた

あっさり辞めニート状態だった

何もする気が起きなかった

守るものが無くなった、ポン太の食費ぐらいか

ポン太は俺と嫁で飼い始めたフェレットなんだ

いつも所狭しと部屋中を駆け回っている

子供がいなかった俺達にとっては可愛い息子のような感じだ

嫁が出て行ってから、一ヶ月ぶりに嫁にあった。市役所で待ち合わせしたんだ

離婚届を出すために会ったんだけど意外と会話は弾んだ

前日に友達と従姉妹のお姉さんと朝まで飲んでたから二日酔いだった

でも不思議に会った瞬間ダルさも吹き飛んだ

元気そうで安心した

でも離婚届なんて出してしまえば一瞬だった

その後公園で話をした

俺の母ちゃんに電話して嫁と会話してもらった

何を話したのかは聞いてないけど二人とも泣いてた

両親はいつも嫁が実家に帰ってくれるのを楽しみにしててくれたから辛い思いをさせてしまった

いつも早く孫の顔を見せてくれと言っていた

その後、携帯の家族プランの解除をしにソフトバンクに行った

手続きを待っている最中も冗談を言い合ったりしていた

もう離婚したのに嫁は俺に

酒とタバコはやめなさいと言っていた

手続きが終わり、東神奈川駅まで嫁を送りに行った

最後の別れ際、俺はどっかで聞いた事のあるような台詞しか言えなかった

嫁は突然泣き出した

でも俺にはかける言葉が見つからなっかった

大丈夫だよ、俺はいつだってお前の味方だから困った事があったら電話するんだよ

と言しか言えなかった

嫁は泣きながら

ここでいいから、と言って一人で歩き始めた

途中

何度も振り返って手を振ってくれた

俺も振りかえし彼女が見えなくなるまでその場に立っていた

その日一緒にいる時は多分

もうこれで二人を繋ぐものは何も無くなるという事に俺は気づいていなかったんだ

いきなり涙が溢れてきた

途中、何度も彼女の後を追って行こうかと思った

でもしなかった

これで終わりなんだ

そしてママチャリで家に帰った

一人になって考えてみると

辛かった事もあったけど楽しい事ももっと一杯あった

楽しい事のほうが多かったと俺は思う

でも自分の変えないといけない所も分かった

変えないとまた同じことを繰り返すから

ポン太に離婚の話をした

お前は不幸な子だなー、と話してもポン太はいつも通りの元気なポン太

KYな奴だ

ママがいなくなったのに全くわかっとらん


でも見習える所はあるかもな。。。



こうして俺の生活は

離婚を機に一変したんだ





作品名:愛と性欲 そして波平 作家名:ぷーある