Pure Love ~君しか見えない~
幸せを噛み締めるように、幸が言った。そんな幸の肩を、和人は静かに抱き寄せる。
「私も……ひかりはもとより、もうあなたのことしか見えないよ。ずっと和人のことが好きだから……」
だから……その先の言葉は、互いの胸に響いていた。
(そう、僕は君が好きだ……君の好きなピアノの音色が、聞こえないはずの僕の耳に、しっかりと聞こえている。そして僕が生まれたその日から、きっと僕の目には君しか映っていない。もう、君しか見えない――)
そっと目を覚ましたひかりの目には、幸せそうな和人と幸の顔が映った。ひかりも微笑みながら、もう一度、安心して眠りにつくのだった。
作品名:Pure Love ~君しか見えない~ 作家名:あいる.華音