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あなたはどんなエンドを辿る?

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「はぅうう!!!!

あああ、やっぱりかっこいいわ!

私だけの王子様!!!」

「・・・・・・・・・それ、楽しいの?」

乙女ゲーっていうんだっけ?和樹はそう尋ねる。

「当たり前じゃない!!!完売寸前のとこを運良く一本だけ余ってたのよ!

もうここまできたら運命と呼ばざるをえないわ!!!」

「・・・・・・・ふぅん?そう。」

夏がそう言うが、それを流す。

それに対し、ムッとした夏は。

「ふん。興味ないなら見なければいいでしょ。」

「そのゲームには興味ないけどお前の反応には興味あるんだよ。」

そう悪びれもせずはっきり言う和樹

「・・・・・・・気持ち悪いわね。生憎私は三次元の男には興味ないのよ。」

「知ってるよ?」

「なら諦めなさいよ。」

「嫌だね。」

「ふう、どうしてそう頑ななのかしら。

お姉さん心配よ。」

「俺はお前を姉だと思ったことは一度もないよ」

「それもそれでひどいわね、傷つくわー」

「だって、本当のことだから仕方ない」

「嘘を言っちゃいけないわね。

昔はねぇねって可愛らしく言ってたぢゃない」

語尾がハートマークがついたほどのラブリーな感じだ。

「っ、・・・・そんな昔のこと出してくるな」

「あぁら、それとも過去のあーんなことやこーんな話してほしい?」

「だーーー!!そんなことはもう時効だ!時効!」

「じゃあ私の前で粋がるのはやめなさい。」

「っぐ・・・・!」

だってお前、飄々としたちょっとSっ気のある男が好きなんだろって言いたかったが、言えなかった。

好みに合わせてというのと、弟だと思われたくなくて性格を変えようとしていたことが恥ずかしかったからだ。

「何歳になっても可愛い和樹でいてね。」

「っ・・・」

頬を赤く染め、ぷいっとそっぽを向く。

「クス。見るなら見るで黙って見てなさい。」



***



「ああ、これってハッピーエンドなのかしらっ?それともバッドエンド?

ううん、どっちにしてもおいしいわ、楽しいわぁ!!」

「なあ」

「なあに、和樹」

「夏は何歳なっても変わんないな」

「和樹もでしょ」

「そうだな・・・・って!夏!おま、指輪してないじゃないか!」

「え?当たり前でしょ、今は沖田さん一筋なんだから。」

「ゲ・・・ゲームしてるからって指輪はずすことないだろ~・・・」

和樹はがっくりきた。

「あら、いつもは和樹だけなんだからいいじゃない」

「そ、れはそーだけど・・・・」

そう言われると、強要することが出来なくなる。

でも俺たち新婚だぜー?と愚痴愚痴言う和樹。

「新婚だからってね、ゲームの発売日は待ってくれないのよ」

「・・・・・わかったよ」

「ん、わかってくれたならいいのよ。」





こんな夏が大好きな和樹は末期だと思う。


だが和樹くんの人生はハッピーエンドだったようだ。