冬の朝
暖かい教室から廊下に出ると、身体が一気に凍りついた
こっそりと、こっそりと想っていた君が
見たことのない女の子と登校している風景
小さくて、かわいらしい、春が似合いそうな子と
隣でその春に笑いかける、まだ夏の日焼けが残ったままの君
心臓が、うるさいくらいになっている
わたしの口からは、白くなった息が現れては消えていく
二人がどんどん近づいてくる
彼女は二つ隣の教室へ入ってゆく
まだわたしは寒い廊下で立ったまま
早く動かなくちゃ
君に見つかってしまう
早く
はやく
それはいつもと変わらない、と思っていた冬のある朝
君の笑顔を見れなくなった、わたしの朝