私はお腹を他人に貸しています
今の私にとっては、小さな命を金銭でやり取りしている、という残酷な考えしか浮かばなかった。あの赤ん坊は幸せに育ててもらえるだろうか。
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心配は確信になって帰ってきた。
その男の子は才能がなく、お金持ちの父親の会社を告げるような見込みがなく、父親は優秀な養子をとって、のちに生まれた自分の娘と結婚させた。実子(代理母出産の場合、実施とは呼べないのだが)はそのためにぐれて、薬物中毒にはまり、やがて、人を数人殺して死刑となったという。
母親はどんな時も私のことをかわいがってくれた。しかし、彼の両親は彼のことをのけものにした。血までつながっているというのにである。
私は、あの日から、再び代理母出産をすることはなかった。
作品名:私はお腹を他人に貸しています 作家名:フレンドボーイ42