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ジャンプ

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「うわ。やっぱ高いな」
 「当たり前だろ。低いとこから跳んでも意味無いだろ」
 「それにしてもこんな高いとは思わないでしょうよ」
 「言っとくけどバンジージャンプがしたいって言ったのはお前だぞ」
 「まあそうなんだけどさあ。こんな高いとは思わないだろうよ」
 「あのなあ、お前の誕生日でお前がバンジーしたいなんて言うもんだから俺たちゃこんなとこに居るんだろうが」
 「分かってるよ? でもこんな高」
 「高いのは分かったから。跳ぶの? 跳ばないの?」
 「んっふっふー。どっどどどどうどどうしよう」
 「気持ちわりぃな」
 「そう言うなって」
 「跳ばねえんだったらとっとと帰るぞ」
 「いやいや待て待て待て。跳ぶよ? 跳ぶから。跳びますから」
 「なら早くしろって」
 「でもこの跳ぶ前の緊張感を味わうのも良いと思うんだ」
 「あのさ。これは罰ゲームじゃねえんだぞ? お前の意思だろ? 何でそんなんでバンジーなんてやろうと思ったんだよ」
 「俺はなあ、昔っからお笑いが好きでね。ほら、よくテレビのバラエティーとかで芸人が罰ゲームでバンジージャンプやったりするだろ。あれが面白くてな。俺もやってみたいと思ったんだな」
 「じゃあ跳んだらきっと面白いだろうし俺も面白がってやるからとっとと跳べ」
 「そんなせっかちだと女子にモテないぞ」
 「モテようがモテまいがどっちでもいいいからはよ跳べ」
 「分かったよ。白状するよ。……実を言うと怖いんだよね」
 「そんなこたさっきからの様子を見てれば分かるわ」
 「あら。バレてたか」
 「あれ。バレてないと思ってたのか」
 「うん」
 「じゃあもう跳ばないな? 可決だな?」
 「いやいや待て待て待て。ここで跳ばなきゃ俺の芸人魂が廃れる」
 「いつから芸人になった」
 「笑いを愛する心……。それがあれば誰でも芸人さ」
 「いい事言ってるっぽいけどよくよく考えると意味分かんねえからな、それ」
 「まあそう言うなって」
 「ああもう分かった。代わりに俺が跳んでやるよ」
 「え」
 「そうすりゃこんなとこまで来たのも無駄じゃなくなるだろ?」
 「いやまあそうだけども」
 「ほらロープ外してこっちよこせ」
 「え、あ、あ、え」
 「ほおうら楽しみだなあ。どんな世界が待っているのかなあ」
 「……俺が跳ぶよ」
 「どうぞどうぞどうぞ」
作品名:ジャンプ 作家名:ト部泰史