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怪奇日蝕

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プロローグ



怪奇現象とか、サイキックとかが現実に起こるわけがないと言う人は少なくはないだろう。
実際、僕の周りの人達だって「てか、昨日幽霊見たんだけどー」「ありえねーって(笑)」
なんていうやり取りが主流になっている。
たとえ怪奇とか奇怪な出来事を信じている人がいても多くはないと思う。
だけど、僕はそんな信じる人達を笑い飛ばしたりは出来ない。

だって―――僕自身が怪奇を持っているのだから。

持っているっていうのは少しおかしいかもしれないけれど、事実は事実なんだ。
僕はそれまで信じていない側だった、もっというと「幽霊が見える」なんていってる人達を笑い、バカにしていた。
テレビとかでやっているのを見て「ないない、幽霊なんているわけないだろ(笑)」なんて言うのが当たり前だった。
けれど、今となっては関心するばかりで、怪奇についてもっと詳しくたくさんのことを知りたくなってきている。
これは怪奇に実際に触れている僕だからこそ言えることかもしれない、実際に見えているからこそ言えることかもしれない。
もしかしたら誰もがどこかで見ているかもしれないけれど気付いていないだけかもしれない。
見えている人、見えていない人、見えるもの、見えないもの、自分自身で自分自身を肯定するのは難しいものだと思う。
だから、事実として触れられたときに自分自身の幻想が真実に変わるかもしれない。
ただ、言いたいことはそれだけ―――。
作品名:怪奇日蝕 作家名:明日月日