光の国へ。
私は夢を見ながら、ぼんやりと漂っていた。
漂っているのは、まっさらな雲の上で。
ぽかりと空に開いた穴のように、丸い月が光を放っていた。
だから、私はそこへ行けば、救われるのだと思った。
こんな悪夢のように続く毎日から抜け出して、空へと飛んでいけるのだと。
いよいよ、光が私の目の前に一杯広がった。
そんな視界の隅にひょこりと羽の生えたものが顔を覗かせて。
私に向かって囁いた。
「なんておろかなこと、ここはあなたの思う場所ではない」
「でも、解らないの。私はどこへいけばいいの」
バサバサと耳障りな、羽の音と風が私の頬に当たる。
「せっかくあなたは降りたのに、また戻ってくるなんて」
ばちり、目が覚めた。
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