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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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Side A【BT4/4】

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俺の人生ははかないといえばはかなく、惨めといえば惨めであり、悲しいかな、誰にも共感するポイントがない。苦しんでもそれはあなたの都合でしょう、といわれるのがオチだ。なぜこのようなことをわざわざむざむざと述懐しているのか。
 心ならずも俺は俺であり、俺として生きることを強制されている。お礼外の人間になることは叶わぬ夢である。もし、どこそこに生まれていたら、など笑いのネタでしかない。俺は、いつまでも、このような生活をしなくてはならない。すばらしい生活とは無縁と、表に顔を出せない人生。それを選んだのは自分自身であり、自分以外何者かいるというのか。結局自分は自分の行動に責任をとるよう強制してくる。みんななにも知ったこっちゃないくせに、いざこういうような物がでるとだめだだめだとうるさい。神が・・・もしいるとした等の話だが・・・まずアダムとイブを作るものの、「善悪を知る木」のリンゴを食べ、追放され、カイン・アベル・セツのこ共のうち、アベルはカインに殺され、忠誠なるセツの一族も、また堕落し、ノアの一族もまた堕落し、ついにセムの一族だけが守り、アブラハム、モーセとつづく。
 何だ、みんな同じだ。人間みな兄弟というのは本当だ。みんな自分の楽なほうに流され流され流される。

 雪山で凶弾に倒れた。わかっていた。こんな生活で、俺がすばらしい大往生を遂げるはずもない。しかし、なにやらこぼれ落ちる禁断の症状が現れてはにじみ出る。
 いけないこととしりながら、その法則を無視してきた。悪いこと、やっては生けないことと知りながら、しかししてきたことが山ほどありすぎて困ってしまった。閉口してしまった。そして笑ってしまった。
 年端もいかぬ少女を殺し、老人を崖からつき落とす人生。そこに救いの境地なぞあるわけもない。俺は結局生きてなにもなせなかった。既存の物を壊すしか能がなかった。俺は死ぬときも救われるはずがない。当たり前すぎて泣けてきた。

 ふと眼前に、ある一人の少女が現れる。俺にほほえみかける。なるほど・・・。俺は気を失いながら、彼女に望みを託す。

 彼女こそは、シータ・ルナ。俺の血を引いた子供を宿してこの雪山を下山する。なぜここまでこれたのか、あえて問わずにいようではないか。少なくとも俺は、一縷の喜びを感じながら眠ろうではないか。

 <やがて獅子の息子はたぐいまれな基地からと明晰な頭脳を持ち、父親が苦しんだ悪の法に立ち向かうことになるのだが、・・・それはまた別の話である。>
作品名:Side A【BT4/4】 作家名:フレンドボーイ42