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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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Sign of Leo Rosso【BT2/4】

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 獅子なるならば、獅子なるをもってその牙を常に研がん。そうして俺は生きている。昨日からの雨の中、普通の人が出向くはずがない場所に俺は今、たっている。
 公園。昼間なら子供がふざけた顔をして、すぐそこで目障りなことをしているのが公園であり、滑り台やジャングルジムと言った非常に非生産的活動を営む彼らは、結局幼くまだ気づきもしない性衝動の代わりを体が本能的に行っているにすぎない。人間が意志によって、あるいはまた理性などというものによって、動いているなどと言うやからがいるらしいが、実際は本王は理性を支配か二納め、そして我々は理性を行使するのではなく、理性に支配されている。考えるより模索に手が動き、そのカンマ数秒後に人間は「手を動かそう」と考える。人間に自由などあり得るはずもない。自分で自分を縛るのだから。自由になりたい?なれば何ぞ死にざる。自由を選るには魂の肉体からの解放が必須であるというのに、とすこし考える。
 大豆を接種することにはだんだん慣れてきている。俺は大豆をとることによって、肉・魚といってたぐいにより作り出されるべき、タンパク質から分解されたアミノ酸を得ることが出来る。だがかんでも味がしないというのは本当にきついものである。人生は短いものという。この業界ではそれも当たり前なのだ。歓を為すこと幾ばくぞ。ドリンク・イート・アンド・ビー・メリー(Drink, eat, and be merry)トゥモロー・ユー・シャル・ダイ(Tomorrow you shall die)というだけあって、味がしない人生はさすがにいやだと思っていたそのころの俺は味がしない豆がいやだった。まあ今は、味がする・しないなんて個人で決める範疇にはないだろうと思ってはいるのだが。
 今日も興じて、明日は死ぬと定めて動く。それもきっと一つの生き方なんだろう。しかし殺し脂はそのような楽しみなどは無用の長物である。そんな者に気を取られている暇があったら生活費を稼がねばならぬ。いきるためにただ働いていればよい。フィクション小説など必要ない。フィクション映画もいらぬ。総て全編あからさまにフィクションである舞台もいらぬ。いっそ劇場もとにもかくにもなにもかもいっそ火で巻いてやろうか。俺はとにかく生き続ける。それしか俺は生きるすべを持たぬ。そういうわけで俺はむさぼり生きるというわけである。
 恨みがある奴などたくさんいすぎて何人いるかなど数えることすら面倒だという者だ。ただ俺が生きている間にそいつ等を殺せる限り殺そうと、というのが俺の生存理由であり、それ以上でもそれ以下でもない。人を殺しむることに、悪魔よ、汝はひとかけらの悲しみも感じ得ぬか、そして満面の笑みを禁じ得ぬか。
 俺は生存する証をその気に削りつけた。すなわち、「Rosso Leo」と書いたのだ。そして、俺はすぐ眠りにつく。
 夜明け近い頃俺は再び目覚める。死の世界にどっぷりと漬かった者は、眠りというものがあまり必要ないものである。それは何故にかというと、死の世界にとって暗黒の境地にまさしく足を踏み入れ踏みおろす者が、安楽の境地に浸れるはずがないからである。天国は信じぬが地獄は信じる。なぜならこの世界はまさしく地獄ではないか。仮想の暗黒郷ディストピアに生きる者たちよ。生ける総ての者たちよ。我はなおもこの世に暗黒をもたらさん。
 一人そこにたつ旅人よ。貴様の命をこの我にちょうだいせよ。苦しみあがきながら、なおもその一刻の姫の名を呼ばう者よ。なんと哀れか。姫は貴様のことが好きなのではない。貴様の奴隷本性が好きなだけだ。俺はこうしてさきへと進む。
 この先に俺の恨みの者の一人がいる。世界を股に掛けて総ての女子共を姦淫しようとしたと呼ばわれる伝説の強姦魔王。然るに猟奇殺人鬼でもあった。鬼悪魔のたぐいはまだかわいいのかもしれない。世界に生きる人間(Human beings)の方がもっと恐ろしいものであるということを理解できる者がどれだけいるというのか。
 さてゆこうと道を歩いていくと、そこに泣き崩れる女の子供がいた。きっとこいつもまた自分の道を自分で絶つのだろう。それが悲しくて殺し屋という職に就職したはずなのに、今や全く悲しくないのである。そのことにむしろ悲しみを禁じ得なかった。
 俺も人間ではないのだなあ、と。