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りりなの midnight Circus

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第九話 再会


 なのは達の到着を知った機動中隊の司令官、南雲白貴は彼らを司令室へ通すように命令した。
 その隣で微笑む八神はやてを見て、南雲は、
「そんなに楽しみなのですか?」
 と聞いた。
 はやてはニコニコして、もちろんと答えた。
「当たり前やんか。なのはちゃんとヴィータと会うのは久しぶりなんやから、楽しみにきまっとるよ」
 京都(みやこ)言葉を思わせる柔らかな口調からは心からの喜びと、いてもたってもいられない嬉しさがわき上がってくるようで、南雲の頬も自然とゆるんでいった。
「僕はむしろ緊張していますよ。幾ら階級が下とはいえ、時空管理局のエース・オブ・エースで名高い高町一等空尉とお会いできるのですから」
 南雲はそういいつつ先程から落ち着かない様子で、何度もネクタイを直している。直せば直す度にネクタイが曲がっていく様子ははやてにとっては見ていて退屈しないことだったが、一応彼に忠告しておくことにした。
「やっぱり、白貴君でも緊張することあるんやね。うちと初めてあった時はあんなに毅然としてたのが嘘みたいや」
 はやての言葉に南雲は苦笑を浮かべると、その時の自分の内情を正直に告白することとした。
「とんでもない、十分緊張していましたよ。ただ、それを表に出さないように努力しただけです。大変でした」
「そうやったんかー。大変やったんやなぁ」
「ええ、今回もそれが出来るか。とにかく舌がもつれないよう注意しなければなりませんね」
「ほな、お気張りやす」
 はやては扉を叩く音に返事をし、
「空いとるさかいに、入ってんか」
 と行って来客を歓迎した。
「失礼します、南雲三等陸佐並びに八神二等陸佐。高町なのは一等空尉以下三名、出向の事例を拝命し到着いたしました」
 抑揚のある心地の良い声が司令室に響いた。その声に南雲は一気に緊張を高め、はやては久しい友の到着を心より喜んだ。
「ようこそ、高町なのは一等空尉、八神ヴィータ二等陸尉、そしてエルンスト・カーネル一等陸士。我々特務機動中隊はあなた方を歓迎いたします」
 南雲の様子からは緊張を感じられなかった。しかし、実は彼はその内で渦巻く緊張と熾烈な戦いを繰り広げていることを知るはやては笑いを飲み込み、相変わらずニコニコしてそこに座っていた。
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪