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りりなの midnight Circus

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第七話 ハートレス・ファイアー


 廊下を歩くなのはとヴィータは少し疲れていた。
「いきなりここに呼ばれたってのに半月も立たないうちに出向かよ。まったくやってらんねぇな」
 ヴィータは完全に不満の様子で、天井を仰ぎながら頭の後ろで腕を組んでいる。
「それでも、はやてちゃんが作った部隊に行けるんだから、私は嬉しいな」
 なのはは、言葉通り期待に胸を躍らせていた。ここ数年、正確には聖王の揺りかご事件の後、はやてとは直接顔を合わせた覚えがほとんどなかった。
 今度出向になる機動中隊は、あくまではやてが設立の手伝いをしただけの者だが、それでも運が良ければはやてとまた一緒に仕事が出来るかも知れないのだ。
 そして、機動六課の実働部隊として設立された以上、元の部隊から呼ばれた者も多いだろう。ちょっとした同窓会になればいいなと、なのは気楽に捉えていた。
「お前は気楽で良いよな、なのは」
 ヴィータはそのなのはの気楽さに呆れつつも、それを前向きと捉え笑みを送った。
「そうかな」
 なのはも自分自身のある一種の楽観性を自覚しているが、物事をあまり深く捉えないというのは一つの欠点だとも思っていた。
「それにしても、エルンストが一人だけ残されたのは何でだ?」
「分からないけど、大切な話があったんじゃないかな」
「あたしらには内緒でか」
「エルンスト君は、何というか。いろいろ事情がありそうじゃない。多分、そういうことだと思うよ」
 ヴィータは「事情ねぇ」とどこか胡散臭そうな匂いのするあの二人を思い浮かべて鼻を鳴らした。
「と、噂をすれば」
 なのはは、廊下の曲がり角を曲がっていったエルンストを見つけ、声をかけようとした。
 しかし、エルンストは彼女が声をかけるまもなくそのまま外へ出て行ってしまった。
「話は終わったみてぇだな。だけど、あっちは射撃場じゃねぇか。あいつ、何のようだ?」
 ヴィータのいうとおり、彼が歩いていった先にはだだっ広い射撃場があるだけで、エルンストのような情報士には無縁の場所のはずだった。
 しかも、なのはは彼がデバイスを持っていたことに気がついた。
 数年前まではそうではなかったが、最近起こったデバイスに関する事件で、時空管理局でのデバイス管理が大きく変わったのだ。
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪