Awtew.2 (e-r) 1
「君が、歩香の恋人か」
セキの目の前でデスクに座っている医師が言った。
「ええ、そうです」
セキが迷い無く答えると、その医師は、そうか、と呟いた。
「なら、話さないといけないな。私が知る限りでの彼女の全てを」
そして、セキに数枚のA4用紙を渡す。
「これは?」
「これが、彼女の『枷』だ」
デスナンバーは語らない。
真実を語らない。
過去を語らない。
未来を語らない。
今までの彼らに必要の無いことだから。
「君は――この事実に耐えられるかい?」
作品名:Awtew.2 (e-r) 1 作家名:犬ガオ