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ハイテンションでいいんじゃない?

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そのため、車の方へ向かえば向かうほど人気が少なくなっていく。
2人歩いていると、晋作が急に手を繋いできた。
指を絡ませ、離さないぞという気持ちが少し見え隠れするぐらいの強さで手を握る。
不意打ちだった為驚いたが、直彦はまあ普通に歩いた。
「直彦さんの手、冷た〜。そんなんで車運転できるの?」
「大丈夫でしょ。そうじゃなきゃ、4人も車で駅まで送らないよ。」
そう言って笑う。
2日ぶりに感じる愛しい人の体温。その暖かさを感じながら、車までの少しの距離を楽しむ。
車に着くと、晋作は驚くほどあっさりと手を離してしまった。
「直彦さん、早く食べに行きましょうよ。」
晋作はニコニコと笑いながら助手席に乗り込み、声をかける。
食欲に負けたことを少し残念に思いながら、直彦は運転席に乗り込んだ。

車の中ではそれぞれが色色な話をして、目当ての店までの距離を楽しむ。
そのお店でも話題がたくさん出てくる為、尽きることは無く料理を楽しんだ。
明日の仕事の為、12時ごろには帰ろうと事前に話し合っていたので、直彦は晋作の家の方向へ向かって行く。
「明日から仕事か〜。頑張ろう。」
晋作が誰に向かったのでもなく悲しそうに独り言を呟いた。その横顔を街頭が照らし、陰影をおとす。
「んなこと言わないでさ、晋作君一緒に頑張ろうよ。」
真也が励ますように応援する。
「そうだね!直彦さん!俺頑張る。」
晋作はさっきの物悲しそうな雰囲気が吹き飛んだように屈託の無い笑みを浮かべる。
それにつられて直彦も笑顔になる。
やがて直彦のアパートについた。
「それじゃあ、晋作君おやす・・」
別れの言葉は途中で途切れた。
何故なら晋作が助手席から抱きついてきたからだ。2人の鼓動が重なって聞こえる気がする。
「急に何!?不意打ちはいつもながらこれは初めてだよ。」
「やっぱり、直彦さんの近くって落ち着く。」
さらに腕に力を込めたかと思うと、腕はゆるゆると解かれていった。
「おやすみなさい、直彦さんいい夢をね。」
そう言って、直彦に口付けて車を降りた。

次の日には、いつもよりハイテンションな2人がいたらしい。