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漆黒のヴァルキュリア

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第三章 これぞ勇者! いろんなイミで! 4



「……どうするよ。さすがに俺、こんな知識は持ち合わせていねぇぞ?」
 エナの要請を受け、俺、フギン、そして紳太――二人と一羽は、緊急会議を開いている。
 オタク文化ってのか? 最近の日本人はワケがワカラン。
「僕も詳しくはありませんが、どうやらエナお姉さんは、コスプレ趣味の人だと思われている様ですね。まぁ、無理もありませんが……」
「コスプレ……ああ、仮装の事か。確かに、あの格好は現代日本にはそぐわんな。つっても、戦時中の日本でも浮いてるだろうが……あんなヤツがフツーに日常の街中歩いてたら、俺だって引くわ」
「今回は、むしろ受け入れられすぎているのが問題なのでございますが……」
 オタク文化に精通していない三者が集まったところで、そういい知恵は期待できない。三人寄らばなんとやら、も期待はずれというところか。
 だが、
「エナお姉さん、金髪……ですよね?」
「ああ、それがどうした?」
「アメリカ辺りの、何かカンチガイしちゃってるオタク少女、という設定はどうでしょうか? 少しくらい不自然でも、大丈夫だと思いますが……」
「よし、それでいこう」
 紳太の提案に、俺は即答した。どうせお祭りみたいな会場だ。派手好きな米国人が一人紛れていても、目立つどころか自然だろう。要は、目立ちすぎなきゃいいだけの事。それに何より、俺はこの一件に於いて、考えるのが面倒くさい。
「では、さっそく返信致します」
「ああ、そうしてくれ」
 俺がフギンを頭に載せると、『送信』が始まった。