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ボクのプレシャスブルー

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あとがき



 時期モノ? 珍しくちゃんと季節に合わせて書いている「遠い旋律」シリーズ、たぶん最終章(自分でも自信はないんだけど)「ボクのプレシャスブルー」をお送りしました。相変わらず、人文の皮を被ったファンタジーです。

 この作品は最初、「交響楽」と時系列がほとんど同じなので、その中で織り込むつもりでした。ですが、伏見にも『泰然自若』と言わしめた芳治の中のコンプレックス、特に子供たちに対してのそれを書くのは、純輝とのバトルとはちょっとベクトルが違うのではないか、そう思って番外編という形で分けさせていただきました。

 でも、今から考えるとこっちの方が本編っぽいかも。私は、芳治が新しい世界を受け入れて愛する様をかきたかったんですもん。


 余談ですが、私の両親は……障害者です。父は芳治と同じくチタンを足に入れております。理由は、事故ではなくスポーツマンの彼が自身の軟骨を全て使い果たしてしまい、激痛に苛まれるようになったからですが。
 布の敷いてあるバージンロードを歩かせるのが怖かったこと、そしてそんな父の事を「超合金だ、カッコいい」と言った五歳児(息子ではなく甥)の話は実話です。

 また母はある日突然身体が全く動かなくなりました。原因は骨粗鬆症により、崩れた首の骨が頸椎を押しつぶしてしまったため。二度の手術に耐え、寝たきりだけは回避しましたが、車椅子生活を余儀なくされてしまいました。前々日に大掃除をしていた元気者の母の突然の事態はまさに青天の霹靂で、私たち家族にとっては交通事故とさして変わらなかったと思います。
 ただ、我が家の場合はもう私たち姉妹(私と姉)はその時成人しておりましたが。

 しかし……ついに芳治(私も)純輝があやつの生まれ変わりだと認めてしまった感があります。でも、だからこそ『今度こそ幸せになれよ』って楓を引き渡せたのかも……と、おっさん化した作者は思うのでした。

では、ここまでのお付き合い、本当にありがとうございました。