MIROKU
「そんなまさか!」
白々しい否定。ココロの突っ込む気が失せる。
「ねぇココロ」
不意にミロクの声が聞こえる。反応してココロはミロクの方に向こうとしたが、今の彼女の姿を思い出してそれを止めた。それが間違いだった。
ココロの肩に冷たいものが乗る。ミロクの腕だった。そして、ココロの背中にやわらかいものが当たった。
「ミロク、やめ「止めてほしいなら、わたくしと一緒に住んでくれます?」
ミロクの腕に力がこもる。背中に当たる感触で精神がピークを迎える前に、
「……分かった、分かったからこの腕を解いてくれ!」
ココロの心は折れた。