MIROKU
完全不死微小機械
「ミスターオクトパス、一体何を……!」
「妙な行動は慎みたまえ。もっとも、君用に開発された拘束回路機だ。そう易々とは抜けられんとは思うが」
カタカタカタ、とオクトパスは皺枯れた指を動かす。暗号化されたデータの束がどんどんと言語に翻訳され、そしてミロクの情報がオクトパスの前に晒される。
「……ははははは、これは、素晴らしい!」
頭を片手で押さえ、オクトパスは今までの死枯れた声で笑う。
「これさえあれば、世界を救えるではないか!」
今までの紳士的な口調ではない、傲慢な独裁王のような口調。
「ドクター、これはもう投薬できるのかね?」
見開かれた眼でドクターの方へ向くオクトパス。
「ミスターオクトパス、貴方は何をする気だ」
オクトパスは両手を仰ぐように広げ、そして光悦した表情で答えた。
「もちろん、世界を救うのだよ」