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パパとママの喧嘩

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前篇



「ウォーウォー、ゴォーゴォー」
 嵐のような音と地響きのような振動が部屋中にこだまする。
 いつものことだ。そして……、
「うるさいのよーっ」とつづく。
 これもいつものことだ。
 いつも仲の良いママとパパ。どこに行くのも手をつなぎ、近所の人からは、まるでつきあったばかりの恋人同士だと言われる。
 パパはキムタクを10年老けさせたようなイケメン。ママは、工藤静香みたいだ。
 恋愛結婚だったパパとママは、15年経った今でも、恋愛中だ。娘のわたしが恥ずかしくなるくらい、しっかりと手をつなぎ、パパが出かけるときは必ずママが行ってらっしゃいのキスをする。まるで、テレビドラマか、少女マンガのワンシーンみたいだ。きっとこのシーンだけを取り出せば、そのままドラマに使うことだってできるだろう。
 しかし、夜は別だ。
 就寝後、必ず起こるごう音。音の主は隣にいるパパだ。すぐそばで道路工事でもしているかのようないびきで、私たちの就寝が邪魔される。
「いいかげんにしてよ」
 また、ママの声だ。眠りが浅いママはすぐに起きてしまい睡眠が中断された腹いせにパパをたたく蹴る。いつも繰り返される光景で、見慣れているけれども、朝とのあまりのギャップにどうしてもなじめない。
 そんな中、唯一の例外が隣にいた。
「すー、すーっ…、ママァ、もう食べられない」
 どんな夢をみてるのだか。隣にいる不思議少女は、妹のゆかりだ。ゆかりは、楽しそうな顔をして寝言をいっているのだ。この状況で……。ゆかりは、一度眠りに就くと次の日の目覚ましの音がなるまで、絶対に起きない。もし天変地異が起きて、この世が終わっても、ゆかりは最後まで気がつかず、この世の終わりを目にするんじゃないだろうか、と思うくらい目が覚めないのだ。
 そんな、深夜の状況も朝になると一変する。いつものように、ママがパパをゆっくりと揺すり起こす。
「パパ、おはよう!」
 昨日の光景がウソのような状況だ。パパも蹴られていたのがウソのように爽やかな笑顔だ。そんな中、ゆかりが目覚ましの音を聞いて、目を覚ます。
「ママァ、パパァ、おはよう!」
 唯一の例外が、わたしだ。
 はじめは、優しそうなパパの声。それが時間が経つにつれて厳しい声になる。最後にはいつも決まって…。
「こら、いつまで寝てるんだ。瑠璃、寝坊するぞ」
「そうよ、瑠璃、早く起きなさい!!」
 不公平に思う。ママはたぶん、みんなが出てから二度寝するんだ。ゆりかは言うまでもなく熟睡している。パパは張本人だ。そして、わたしだけがいつも損をするんだ。
 ねむたい、とてつもなくねむたい…、だってさ、わたしは昨日17回も起きたんだよ。パパに文句言ったこともあるし、ママに言ったこともある。それなのに、なぜか理解が得られない。
 しかたがないので、眠い目を擦りながら、服を着替え、パンを食べながらコーヒーをブラックで流し込む。なんだか早朝、駅前でモーニングを食べながら、コーヒーを飲み、眠気を飛ばすサラリーマンみたいだ。
「いってきまーす」
 コーヒーが身体に入るころには眠気が飛び、ゆかりと連れだって学校に出発する。
作品名:パパとママの喧嘩 作家名:ミラボー