秘事(堕坊)
カーテンは閉めてある。
灯りの点いていない部屋では恋人同士が寄り添いながら、虚ろに雨音を聞いていた。
男の手が煙草を求めた。胸ポケットから取り出して火を点けると、空箱が床の上に放り出される。男は煙の行方を目で追った。
不意に生じた思い出が彼らを引き合わせた。過去への憧憬に突き動かされた男は、この気持ちを埋めるべく部屋を出て、ただ求めた。そして外に出てから間もなく出会いを果たすと、すぐさま自分の部屋へと相手を連れ込んだのだった。彼は一呼吸付くと、これから楽しい事をしようとばかりに、相手の服を破り始めた。抵抗は無かった。亀裂の奥からはまだ手の付けられていない肌が、付属品である水色のへらと共に現れ、用意された新聞紙の上に横たわって、男の眼差しを一身に受けた。
これから楽しい図工の時間が始まるのだ。
灯りの点いていない部屋では恋人同士が寄り添いながら、虚ろに雨音を聞いていた。
男の手が煙草を求めた。胸ポケットから取り出して火を点けると、空箱が床の上に放り出される。男は煙の行方を目で追った。
不意に生じた思い出が彼らを引き合わせた。過去への憧憬に突き動かされた男は、この気持ちを埋めるべく部屋を出て、ただ求めた。そして外に出てから間もなく出会いを果たすと、すぐさま自分の部屋へと相手を連れ込んだのだった。彼は一呼吸付くと、これから楽しい事をしようとばかりに、相手の服を破り始めた。抵抗は無かった。亀裂の奥からはまだ手の付けられていない肌が、付属品である水色のへらと共に現れ、用意された新聞紙の上に横たわって、男の眼差しを一身に受けた。
これから楽しい図工の時間が始まるのだ。