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ついのべ比較「太陽と月」

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 私の恋人は太陽みたいなの。そう言うと、友達はみんな苦笑する。のろけだと
思われるのだろう。確かにのろけでもあるし。
 明るくて、まっすぐな人。彼はいつも友達に囲まれている。リーダーシップが
あって、みんなパワーを与えることができる人。色で言うなら赤。太陽の人。
 どういう気まぐれで、私みたいな子と付き合おうかと思ったのか、不思議で仕
方ないのだけれど、彼は私がいいんだと言う。うん。私も彼がいい。彼と一緒に
いると、自分がマトモな人間になった気がするから。錯覚かもしれないけれど、
太陽に照らされて昼間を生きる人間になった気がするから。
 彼の親友は、言うなれば月。静かで控えめで、そしていつも彼のそばにいる。
私が妬けてしまうほどに。
 私たちは時おり目と目を交わす。ただそれだけ。でもわかる。同じ種類だとい
うことが。私もあの人も、太陽に焦がれ、そして同じくらい太陽のことを憎んで
いる。きっとそう。
 時々、怖くなる。あの人のことが。
 時々、怖くなる。自分自身が。
 太陽が輝く時、同じ空に浮かぶ月の存在は目立たないけれど、ごくまれに月が
太陽を覆ってしまうこともあるんだ。
 日食。
 皆既日食が起きたとき、私はどうなってしまうのだろう。
 そんなことを思いながら、彼と彼のそばで微笑むあの人の姿を見る。ふとあの
人が私を見た。一瞬、目が合った。それだけ。
 今はまだ。
 
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【ついのべ投稿したものはこちら】

あなたは彼の親友で、私は彼の恋人で。出会う順序が違っていても、やっぱり私は
彼を選んだはず。それなのに、どうして。太陽のような彼を愛しているの。月のよ
うなあなたではないの。それなのに、どうしてこんなに。あなたは彼の親友で、
私は彼の恋人で。そして二人は裏切り者。

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