捨てられっ子
拾ったそのときから、わたしに懐いてきて、決して傍を離れようとしない。
とっても可愛い子だ。
どうやらお腹が空いているらしく、わたしが飲んでいるミルクをじーっと見つめている。
仕方がないのでミルクを少し分けてやると、美味しそうに飲み出した。
そんな姿も可愛らしくって、わたしはこいつのことが好きになった。
実はわたしも捨て子なのだ。
だから同じ境遇のこいつを拾ったのかもしれない。
こんな年で捨てられるなんて……本当にかわいそうな少女。
作品名:捨てられっ子 作家名:秋月あきら(秋月瑛)