バトンを繋ごうRPG 『勇者の旅立ち』[小説コミュニティ]
勇者ノベリットの冒険
かざぐるま} かざぐるま |
勇者は村を出た。装備も魔法もまだ持っていない。とりあえず北の森に向かってノベリットは歩き出した。そこに突然!! |
2013-07-11 19:30:04 |
コメント (190)
匿川 名 2020-03-21 15:32
河原にたどり着いたノベリットはあたりに人がいないことを確認すると、そっと自分の衣服(パンツ含む)を洗い始めた。
川底まで見通せる澄んだ水にノベリットの服から汚れが流れ込む。
「・・・汚ったな、のべ」
そのばっちい流れをジト目で見ながらノベリンが呟いた。
「お前その語尾無理してね?」
普通「汚い」というところへちょっととってつけた感がある語尾にノベリットが突っ込んだ!
「う、うるさいのべ!これはこの妖精郷の正式な敬語、丁寧語の類いのべ!」
「でもその割には女王様は普通にしゃべってたぞ」
ノベリットの質問にノベリンはやれやれといったふうにかぶりを振った!
「女王様は特別のべ!最上位の者は誰かに敬語を使う必要が無いのべ!」
「それじゃ、ノベリンはおれに敬語で接してくれてるんだ?」
ノベリットのツッコミにノベリンははっと驚いたような顔をした!
「それもそうよね・・・なんであたし、あんたに敬語使ってたんだろ」
「よし、洗い終わったぞ!」
ノベリットは最後に残ったパンツを洗い終えると、両手で広げてパン!と伸ばした!
その弾みで!
びりっ
ノベリット「え」
ノベリン「え」
なんと!パンツが真っ二つに破れちゃったじゃないの?!
「パンツが・・・旅に出るときに予備を忘れたばかりにたった一枚だったパンツが・・・」
ノベリットはそう呟いて、ひざまずき項垂れた!
その時、彼の脳裏に何か遠い記憶が横切った。
※
「え、って、ちょっと待ってよ。それじゃ今までの旅の間ノベっちってパンツ・・・」
穿きっぱなし、と言う言葉を辛うじて飲み込むようにして、マナがじりじりと後ずさった!
「違う!流石に時々は洗った!その、一人きりになった時とかに、こっそりと・・・」
※
・・・でも、目の前の盛大な悲劇に、そんなことはすぐに忘れた!(爆
匿川 名 2020-03-21 15:30
「そういえば、お前付いてきてくれるの?」
ノベリットは何となくノベリンに尋ねた!
「だっておまえすっぽんぽんだからこのままじゃダメのべ!とりあえず服を洗ってちゃんと着るのべ!じゃないといつまでも私、この・・・アレがナニのそばを飛び回らないといけないのべよ!」
そう言ってノベリンは耳まで真っ赤になった!
「どうせ小説だから見えないのに」
「そういう問題じゃないのべっ!!!さっさと服を洗えっ!!!」
ノベリットのメタなネタにノベリンはそう絶叫すると、くるりと宙で弧を描いてノベリットの後頭部に膝蹴りをぶち込んだ!
「いってぇえええ!!!」
「・・・次は・・・殺す・・・」
妙に低い声音でノベリンがそうぼそりと呟いたので、怖くなったノベリット一目散に川を探して走り出した!
退会ユーザー 2020-03-20 22:41
おれはどうしてお漏らしなんか?
ノベリットは自分の身体をよく見てみると、なんと!!
身体が子供の身体になっていた。
「どうして子供?」
「ここは妖精の郷のべ。大人は入れないのべ、当たり前のべ」
納得だ……。
「どおりで……。ということは、もういいや!」
脱ぎ脱ぎ、ポイポイ~と、ノベリットは服を全部脱いでしまった。
「スッキリ!」
ノベリットは腰に手を当て、白い歯をにかりと見せた。
「NO--!!」
妖精ノベリンの悲鳴が上がった。女王は両目を隠しながらも、指の隙間からしっかりと!慌てたノベリンは、ノベリットの股間に自主規制を掲げた。
「おれ、子供だから別に大丈夫でしょ?」
「なに言ってるのべ!いくら子供になっても駄目のべ!色んな人がここを読んでるのべ」
ノベリンは自主規制をかけながら、ノベリットの股間付近を飛び回った。そんなノベリンを見下ろしていると。ふと、ノベリットはノベリンの髪の毛が気になった。綺麗な緑のサラサラヘアーだが、うなじ辺りから、何やらもじゃもじゃが少し見えていた。そっと、髪の毛に触れようと手を伸ばすと――
「Don’t touch me!!」
鬼の形相と凄い声音で手を払われてしまった。股間が露わとなり、ノベリンは慌てて自主規制をかけた。
「ドン、タッチ、ミー!!今度触れようとしたら、ぶっkill you!!」
あのもじゃもじゃが気になるけど、仕方ない。ノベリットは女王ノベリーナに挨拶して、謁見の間を出ていこうとして、ようやく気が付いた。なんか、みんな、子供みたいだ。意識もはっきりしてきた。目が覚めてきたかな?
あの武装してた兵隊さんも子供のようだし、兵隊さんは兜と槍と股間に葉っぱ一枚の恰好だ。
「なあ、ノベリン。なんで、社会の窓に葉っぱなの?」
「あれが妖精のパンツのべ」
「それだ!!」
これでゴールドいらないぞと、ノベリットはにやりと歯を剥いた。
「でものべ~、あの葉っぱは西の森に行かないと見つからないのべ」
「適当な葉っぱじゃダメなの?」
「駄目のべ」
「う~ん……。パンツ洗って履き替えるのは?」
「新しいパンツとお言葉賜ったばかりのべ!」
さあ、お金もない、パンツ屋もない妖精郷。目指すは妖精のパンツだ!
ノベリットはパンツを求めて、西の森へいざ!!
匿川 名 2020-03-20 20:59
「ノベリット・・・あなたは復活するために、新しいパンツにはきかえなければいけません」
女王は幼い容姿には似つかわしくないような厳かな声音で、でもなんだか変なことを言った!
「ぱ、パンツ?!」
ノベリットは思わず目をむいて仰天した。
「だって・・・お前なんだかおしっこくさいのべ!」
ノベリンはそう言って目を細めて鼻をつまんだ!
いわれてみるとなんだか股間がしっとりしている!
途端に内股になるノベリット!
おいおい、えへへと愛想笑いをしている場合じゃないぞ!
(・・・でも)
と、ノベリットはふと思った。
何で自分はおしっこをを漏らしているのだろう?
そういえばなんだか記憶が曖昧というか、頭の中がふわふわした感じがしている。
例えば夢の中でこれを夢と識るときのような、言い知れない現実感のなさがある。
さっきまで、いや、『ここ』に来るまで自分は何をしていたのだろう?
とても大事で切実な何かがあった気がする・・・
でも・・・
「ま、いいや。考えても分かりそうにないし!」
そ、それでいいのかノベリット!?
「ところで、男性用パンツの一般的な市場価格は1ゴールドです。『詳しくは2013年11月20日の投稿を参照』と神の声が聞こえます・・・」
「ちなみに一時的に1枚1000ゴールドまで暴騰したこともあるのべよ?『詳しくは同投稿を参照』とはこれまた神の声のべ!」
女王はそこで一度すっと目を細めた!
「そう、そして貴方のポケットには0.5ゴールドしかない・・・しかも硬貨はかけて半分・・・このまま使うことすら出来ません。さて、これが貴方に課せられた試練です。おまけにこの妖精郷には道具屋もありません。さて、あなたはどうします?」
ええっと、どうしよっかなあ、ノベリット!
退会ユーザー 2020-03-19 01:02
ゴールド半分?
ノベリットはポケットに手を突っ込んで手持ちの金を確認してみると、確かに半分だった。1ゴールドの硬貨が欠けて半分……。
「れ、0,5ゴールド。これ、使えるのだろうか……」
「使えるわけないのべ!女王様が今からおまえをちゃんと復活させる有難いお言葉を述べるから、耳の穴かっぽじってしっかり聞くのべ!」
さて、ノベリット復活の条件とはーーー!!!
退会ユーザー 2020-03-19 01:01
「おお!!勇者ノベリット!死んでしまうとは何事ですか!?」
ノベリットを目覚めさせた言葉は、痛烈な罵倒だった。
目を瞬いてみると、目の前には美しき女王?それと、武装した兵、そして、小さな妙な生き物。
ノベリットは茫と見渡した。はて?ここは?
「こら!女王様の御前のべ、ノベリット!控えろ控えろのべ!」
耳元で羽虫のような声がウワァンウワァンと聞こえた。見れば、とても小さな女の子が耳元で飛んでいた。
「ん?君はだ~れ?」
ノベリットは寝ぼけ眼で問うた。
「あいたっ!」
そしたら突かれた。
「うちは妖精王国ノベ・リストの王女様に仕える妖精ノベリンのべ~。よく覚えておけのべ、ぼんくら勇者!おまえは一回死んだんだのべ~」
「よう、せい、王国?」
耳元でうるさい女の子を見てみれば、確かに妖精だった。トンボみたいな羽も生えてるし、変なステッキ持ってるし、何よりも性格が悪そうだ。
正面を向いてみた。玉座がある。そこに座するは、見まごうばかりの麗しの女性だが、歳も女王と呼ぶには若すぎる。少女じゃないのかしらん?
茫とするノベリットの頭を、また小さな妖精がステッキで突いてきた。針で刺されてるみたいで、ちょっとノベリットはムカついた。
「女王様の御前のべ!膝つけのべ!」
「まあまあ、ノベリン。その辺にしてあげてください」
生意気な妖精を制したのは、幼い女王だった。
「女王ノベリーナ様!」
ノベリンという小さな妖精はノベリットの肩にとまり、そこで控えた。
「勇者ノベリット。あなたは死にました。その魂をもう一度戻すため、私がこの妖精郷へと留めたのですが、あることをしなければ、あなたは蘇りません」
女王は粛然と言い放った。少女とは思えない威厳があった。
「あ、それと、あなたの手持ちのゴールドは半分になりましたよ、あしからず」
と、今度は少女らしくけらけらと笑った。
「女王様、女王様」と、ノベリンは小声にして、慌てた様子で女王に声を掛けた。
「あら、私としたことが、失礼……、コホン」
どうやら、女王然と振るまうのは慣れていないようだ。
退会ユーザー 2020-03-19 00:01
とうとう世界の崩壊が始まった。どう止めればいいのか、それは誰にも分からない。ノベリットたちは、竜の背でそれを見定める術しかないのか?
ああ、意識が遠のいていく……。この戦いはなんだったのか?
薄れゆく意識。ノベリットの意識は途絶えていく。ある言葉だけを残して……
「クルクルバビッチョ パペッピポ! ヒヤヒヤドキッチョの……ノーベリン!! 」
世界は始まりの物語を求めていった!!!!
匿川 名 2019-12-29 23:20
――完全な漆黒の中で目が醒めた。
無比の闇の中で、寝ているのか立っているのかも分からない。
漂っているようで浮いているようで、足は何かに寄るようで、同時にそれすらも故のない幻で、あたかも風を踏むかのように――
――我は、朽ちたかよ――
最期に人に戻ったことも、その直後に呪いが幾千、幾万の見えざる細か虫のように肉を啄(ついば)んだことも憶えている。
腕が墜ちたことを憶えている。
肉が乾き、かさつき、塵芥とならんとしていたことを憶えている。
痛むのを憶えている。
しかしそれは肉よりも、魂に寄る痛みであって、『英雄』に添えない己へのじりじりとした歯がゆさをこそ湛えた。
――ならば此処は彼の世たれば、か――
そう思い一人勝手に腑に落とす。
いや、寧ろ自分にはもはや『落とすべき腑』がそもそも無い。
笑む、
いや、頬笑む。
見えざる世界に、在らざる頬を、鷹然と歪めて見せて、
彼は眼(まなこ)を開いた。
在るべくした闇は変わらず、開いた瞼の奥にはさらに闇という瞼が重なるだけ。
しかし、悔いるべき何かは全く無い。
あれはあのとき出来る最善の手段方法だと信ずるので、あとは勇者に託すのみでしかない。
ならば、と彼は瞼を再び閉じた。
何も変わらない、闇という瞼の中で、もう一枚の薄皮を眼の上に覆うだけ。
我が我であることを忘れるまで、我はここを漂うのだなと悟る。
漂う中で削がれ、
何れ分れて消えてしまうまで、
永遠、或いは束の間我は、
闇の中で想うだけの『虚空の意識』となるのであろう。
ゆっくりと全身から力を抜いていく。
虚脱する。
忽ち在り方が楽になった。
ほうっと無い息を吐き、闇という夢幻の中で彼はまた想う。
――我は、朽ちたかよ――
匿川 名 2019-07-28 23:21
※
むー・・・途中、現実の方で若干茶々が入ったりしたのであんまり進みませんでした(滝汗
でも今日はここまでにしようと思います。
そんなわけでノベリットは邪悪な魔法使いの襲撃をかわしたのですが、マナ、カナは救ういとまが無かったので放置です。
カイザーはヒトとしての姿を失いました。
助けに入ったドラゴンはチビドラです。
亀(ヴィットルタ)が死んだので世界は『端』から絶賛崩壊中です。
意外と一番ダメージが少ないのはアニエスかもしれません。今のところ、多分(謎
種田さんはあんまりナイスタイミングで助けに入ったので、実はもう少し隠し事がありそうですが、それがなんなのかは・・・よく分かりません(大爆
テキトーな書き殴りですが、たまには良いですねえ。
肩が凝らないです。
いつかまたやってみたいような気がするので、このトピックばかりやたらに更新されていたら・・・『ああ、また遊んでら』と大人目線でどうかご容赦ください!
匿川 名 2019-07-28 23:12
朽ちたカイザーの体躯から、その中心となる胴を抱えたままノベリットは竜の首元へと駆けた。
竜はまた器用に首を地に下げ、そこにノベリットは身体を滑らせた。
その側に一度は雲散した黒い霧がまたその姿を現しつつあった。
邪悪な牙を持つ黒い犬の亡霊が襲いかかろうとしていた。
しかし、竜は一際強く羽ばたくと一気に宙へと舞い上がった。
その上で身を翻す。
『落下する』と見せかけて牙を剥き、があっと吐息を溜め込むと、一気に膨大な炎を吐き出して霧へと注いだ。
猛烈な破邪の火焔に包まれて、流石の霧も焼けて失せた。
きっと束の間ではあったが悠然とそれを眼に収めると、竜は宙の中で踵を返し、墜ちた陽の方へと向けてノベリットらを背に乗せて高速で滑空を始めた。