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バトンを繋ごうRPG 『勇者の旅立ち』
バトンを繋ごうRPG 『勇者の旅立ち』
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バトンを繋ごうRPG 『勇者の旅立ち』[小説コミュニティ]

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勇者ノベリットの冒険

かざぐるま}
かざぐるま
勇者は村を出た。装備も魔法もまだ持っていない。とりあえず北の森に向かってノベリットは歩き出した。そこに突然!!
2013-07-11 19:30:04

コメント (190)

匿川 名  2022-02-13 16:56
その未曾有の『揺らぎ』は世界を完全に包み込んだ。
単なる地震というにもあまりに苛烈。
水晶が見せる幻影の中で、三鬼衆はゆらゆらと足元すら覚束ない様子で逃げまどい、ある者は野生の獣のような恐怖の絶叫を上げていた。
成程とノベリーナは膝を打つ。
先程の三人の様子はこの揺らぎの幕間に過ぎなかったということか。
現実逃避と、次々襲う絶望と。

だが、ノベリーナは奇妙な印象を受けていた。
それは寧ろ世界の崩壊を思わせるような過酷な揺らぎの連鎖なのに、どこか果ての世界で観劇をするかのような。
次の瞬間、はっとノベリーナは気付く。

「お分かりになりましたでしょうか」

側近の声が低く、深く、空から注ぐ。
そう、そうなのだ。

――この未曽有の揺らぎは、『ここ』で完結している。

自身が真に存在する宮殿には、真実の体躯には、何らの揺らぎを覚えることがない。
「ど、どういうことじゃ?!」
ノベリーナは訳も分からず空へと、引いては側近へと問い返す。
「それは、簡単なことです。貴方は実は『観測者』に過ぎない。『そこ』も『ここ』も同じ妖精郷の大地ながら、あなたは実はそのどちらにも『いない』。」
「な、何を言っているのか分からぬ!」
絶叫するノベリーナの前に、ふわりと青白い手が浮かび上がった。
その上には深い青色をした水晶玉が掴まれ、ぼうと淡く輝きを放っていた。
ノベリーナは吸い込まれるようにその中に目を凝らす。
その中に映し出されていたのは、遠く彼方の大地。
飛ぶ竜と、その背に乗る幾人かの者たちの姿。
そして、ちかっと小さな火種が見えたかと思った次の瞬間、それは世界を包む業火となって一息にノベリーナを包み込んだ。
恐怖のあまり、ノベリーナが声の限りに絶叫する。
そこに、側近の声がまたどこからともなく降り注いだ。

「実は端的に、ここは在る者の『心の世界』なのですよ。
 それら『三鬼衆』の正体とは、その者の弱まった『知恵』、『力』、『勇気』を象徴する存在なのです。
 そして病んだ『世界の盆栽樹』はその者の『心の幹」。
 それが振りまく『花粉』とは、心の内に深々と、絶えなく積もる『絶望』の姿なのです」

匿川 名  2022-02-11 23:33
凝らせ、

その眼(まなこ)を絶え無き昏き深潭(しんたん)へと。

現世(うつしよ)の地平は何処(いずこ)へ続くのかと。

凝らして映せ、その眼(まなこ)の只中へと。

「汝が在処(ありか)は、何処(いずこ)で在れかしや」と。


凝らせ、凝らせ、只管(ひたすら)に凝らせ。

そしてなおこそ、

懲らせ、懲らせ、懲らせよ、爛れた心を。

叱咤し唯(ただ)奮え。

唯々(ただただ)奮え。

奮えよ、「その魂や、何処にこそ在れかしや」と。


見(まみ)えよ、遥かに忘れた篝火(かがりび)に。

見(まみ)えよ、汝を求めし聲(こえ)に応(こた)えて。



    ――嗚呼、其処(そこ)に續くのは、地鳴りでは無く――




…仕方ない。
そろそろ戻ってこようよ、ノベリット!

匿川 名  2022-02-08 00:15
「はい!そんなわけで始まりました。冬季オリンピックです!」
まるでボブスレーのように滑走を続けながらノベリットはそう言った!
「これまた半年前の7月のセルフネタに応えてどうするのよ!」
顔を真っ赤にして羽ばたきながらノベリンが怒声で返す!
辺りは激しく前後左右どころか上下にまで揺れ始め、いつこの『根の滑り台』が崩壊するかもしれない勢いだ!
「ど、どうしようノベリン」
ノベリットはおろおろとしながらノベリンにそう問いかけた!
「知ーるもーんですかーっ!」
なかばヤケクソ気味にノベリンが叫び返す!

すると!相当の滑走で着いた勢いから、下り続けた根が角度を変えて急に反転した!
ノベリットはぐんぐんと上へ上へと昇り始めていく!
暗闇の盆栽樹の中から何処かへ、しかも樹脂が漏れて乾いていたのか上り坂は妙にツルツルしている!
だから摩擦も少なく…イイ感じでひたすら上昇していくぞ!

「あ~れ~!」

…っていう悲鳴は実は時代劇でも聞いたことがないぞ、ノベリット!
そして猛烈な勢いで滑走るする体は、やがてひとつの光源へとつながった!
暗闇の中に浮かびあがる真っ白な光源。
それは、外の世界への出口に他ならない!

そして、ついに

すぽーんっ!

っと、ノベリットは盆栽樹の外へと飛び出した!

だが!だがだが!

「う、うえええ?!?!?!」

も、もしかして結構高いところまで上り詰めていたのかい?
宙に放り出されたノベリットの体はそこが地上何十メートルなのかもわかりゃしない高度にいた!
ぞっとして下を見下ろすと、遥か先に緑の木々が見える!

「の、ノベリットーっ!!」

さすがの事態にノベリンが絶叫する!

「う、うわああああーーーーっ!」

そんでもって一瞬の間ののち、ついに自由落下を始めちゃったぞノベリット!
一体全体どうするんだい?!


匿川 名  2022-02-05 16:15
「ほうら、捕まえちゃうぞ~」
そう言いながら、三波はレイを追いかけて、その背後にたなびくローブを捕まえようと手を伸ばしていた!
「いやんいやん~」
レイはそう言いながら三波に捕まりそうになるたび身を翻し、ローブの裾を自身の体躯にからめとった!
その傍ではガッシが寝転んで頬杖をつき、ふわあと大きなあくびをしている!
「…てか、三浦先生亡くなったし、どうなるんだあっちは」
そしてまた何だかそんなメタなネタを呟いているぞ!
そんなあまりといえばあんまりな体たらくに、ノベリーナは思わず目眩を覚えた!

「…お・ぬ・し・た・ち~」
怨嗟にも似た低い呟きを口元から漏らしながら、何だか背中の方に『ゴゴゴゴゴ』とかいう漫画でよく見る擬音語が見えるぞ、ノベリーナ!
「ダメです、ノベリーナ様」
そんなノベリーナの頭上から側近の声が降り注いだ!
「なんじゃ!何がダメなのじゃ!」
ノベリーナは怒声で返す!
「そこは水晶玉を通して見えている『光景』に過ぎません。貴方様がいかにその地に立っているように感じられてもそれは錯覚、幻影の中のことに過ぎないのです」
「そ、そうなのか」
ノベリーナは空へと返事を返す!
「ノベリーナ様の本体、御体は今も私とともにここ、宮殿の中にあります。だから、ほら、このとおり」
「え、なに。ぎゃは!コラ!」
ノベリーナは急に脇腹にこそばゆさを感じて身悶えた!
「ちょっと脇のあたりをくすぐってみました」
そして空からそんな側近の声が降り注ぐぞ!
「そうかそうか、よく分かった」
ノベリーナは息を整えながらそう言った。
(…むぅふぅ…帰ったらあいつはブチ殺してくれようぞ)
何だか怖いことを考えているぞ、ノベリーナ!

するとその時、ノベリーナの目の前で、世界が大きくひずんだ!
何が起きたのかと思わずノベリーナは目を凝らす!
追手の3人の姿がまるで異国の踊りでもしているかのように奇妙に揺らぐ。

いや、違う。

ノベリーナは眼前の光景にある異常の原因を瞬間で察知した。
これは、
大地が激しく波打った、のだ。

匿川 名  2022-01-30 23:16
「いかにお気楽不定期更新とは言え、半年放置はどうかと思うのじゃが」
とノベリーナは呟いた。
「女王、メタなことを言えば筆者が『未曽有のやる気なしモード』に突入しているらしいですので、何卒ご配慮を…」
横に控えていた側近の男はコソコソとノベリーナにそう耳打ちした。
「でもよそではホイホイテキトーなことをつぶやいているそうではないかっ?!」
ノベリーナの鋭い視線とツッコミに側近は『あいたたた』という顔をして右手で自分の目を覆った!
「でも、ほら、こうして何かを書こうとしているところだけでもご評価されてはいかがかと」
「むぅ…何やら納得はやはり行かぬが、致し方なし、か」
不承不承といった様子でノベリーナは頷くと、ドスンと王座に深く腰掛けなおした!

「ところで現状はどうなっておるのじゃ?」
ノベリーナは側近に尋ねた。
「は、気が付けば匿なんとかという者は、結局またひとりきりでトホホと何やら書き始めたとかなんとか…」
「あほう!メタなネタを引っ張りすぎじゃ!ノベリットと差し向けた三人についてのことに決まっておろう!」
「む、申し訳ございません。ノベリットについては今のところ消息は不明です。追手の三人は…ええっと」
側近はそう言ってちょこっと口ごもった!
「なんじゃ、歯切れの悪い」
「私からご報告するよりは…見てもらったほうがいいのかなぁ…などなどと」
そして側近はそう言うと、ローブの懐から深い青色をした大きな水晶玉を取り出した!
「女王、この中に三人の『今』が入っています。どうか覗き込んでいただきたく」
「む、魔法できゃつらの姿が見えるというわけじゃな?便利なものよのう。さて、どれどれ」
ノベリーナはそう言いながら、側近が差し出す水晶玉に顔をそっと近づけた。
不思議なもやが玉の中に立ち込めている。
その奥に水色の光点が閃いては消え、閃いては消えとしながら、ふとその中の一つが急拡大した。
思わずノベリーナは目を細める!
女王を取り囲む輝きは、まばゆい白い明りとなって、その向こうからある光景をノベリーナの眼前に繰り広げた。
そして、その眺めの中には!

匿川 名  2021-07-24 10:23
「てかどこまで落ちるんだよっ!この木の構造どうなってんの?!ええい!今ここを書いているやつは三歩前に出ろっ!!」
ノベリットは錯乱気味にそう絶叫した!
「何言ってんの!知るわけないでしょ!それより少しは速度調整してよ!滑り台みたいになってるんだから手を横に突っ張ればいいでしょ?!」
ひいひい言いながら羽ばたくノベリンは叫び返した!
「でも結構速いよ?!手の皮むけるんじゃない?!」
ノベリットはビビり気味にそう返した!
「なら足でいいじゃない!靴履いてるんでしょ!」
ノベリンの怒りの絶叫にノベリットは『あ、そっか』とあっさり納得した!
そしてそっと左右に足のつま先を伸ばす!木の肌にそれが触れる!
と、その瞬間!
「どわあっ?!」
木の肌がベリッと破れてつま先がそこに引っかかった!
しかしついた勢いは急には収まらない!
ノベリットは垂直に180度回転し、頭を木の肌でしこたま打った!!
足はその時の勢いでまた穴から外れ、さらに滑走を続けるノベリット!
「オリンピックにこんな競技があったっけ?!」
あきれながらノベリンがそう言った!
「多分ない!近いのがあっても冬季オリンピックのボブスレーだと思うぞ?!」
打ち付けた顔を真っ赤にしてノベリットは絶叫する!
その時、盆栽樹が再度大きく揺れ始めた!
併せて深く不気味な『ゴゴゴ』という音が辺り一面で一斉に起こった!



匿川 名  2021-06-15 22:07
「あのさ」
と、すっかり忘れ去られていた三鬼衆の一人、ガッシが呟いた。
「ここから妖しいダンジョンZZRに向かっても三日はかかる訳じゃん?だったらどう考えてもノベリットたちにはもう追いつけないと思うわけだが」
「それもそうですね」
とイザワこと三波はそう返した。
「やめよっか」
なんだかあっさりとレイがそう呟いた。
「でもこっそり帰ったことがバレたらノベリーナ女王に殺されそうな予感」
三波はそうささやいて割と本気でおびえた顔をした。
「行くだけいくかなあ。ダメならダメで取り組んだっていう実績が欲しい!」
ガッシは少しめんどくさそうにそう呟き頭をボリボリと掻いた。
「まるでダメなサラリーマンみたいですね」
レイがそう言ってクスクスと笑った。

その時!

「・・・ん・何だ?」
ガッシがふと足下に目をやった。
三鬼衆の足下がかすかに揺らいだかと思うと、たちまちにその揺れは大きく強くなり、大地のすべてを包み込んだ!
「わわわ!地震的なアレですかー?!」
三波がわたわたと両手を振ってバランスを取りながらそう叫んだ!
地の揺れに伴うゴゴゴという轟音が世界を包む!
「な、何があったんだよレイ!」

「こ・・・この揺れの大きさは!もしや、盆栽樹の根が・・・枯れ始めているのではっ!」

そういえば!

なんだか一年近く前に某勇者がヤバい薬を過剰にとあるところに投入した気が!!!

匿川 名  2021-06-05 13:45
竜は翔ぶ。
その向かう先は識れない。
闇夜を切り、ひゅうと星の海を渡る。

その背には項垂れる女と、呆ける男と、彼方を見据える侍と――
灰の如く朽ちた、巨躯の名残とが有った。

竜の背が切りつける風がその巨躯の名残を浚ったとき、がさりと音を立てて一塊が宙に流れた。
その束の間、呆ける男がにわかに覚醒したかのごとく、塊に向けて飛びかかった。
あたかも、何物もこれ以上そこから奪い去らせまいとするかのように。
しかしその身体は侍に抱えられた。
或いはそうで無ければ、男の身体は宙に舞い、地に向けて自由落下を始めていたであろう。
斯くして塊を掴み損ねた男の手が空を握り、飛び落ちた朽ちた肉は夜の闇の中へと消えた。
そのうちに、みるみる男の目から束の間生まれ出た生気が消えていった。
侍は男の身体を引いて、竜の背に座らせた。
再び呆けるばかりとなった男は素直にそれに従ったので、これ以上飛ぶことは有るまいと判断し、侍は風下に腰を下ろした。

「強大ね」
と、女――アニエスが呟いた。
「まさしく」
と侍、種田は応えた。
『竜の炎撃(ドラゴン・ブレス)』により魔法の邪気を払いはしたものの、詰まるところ、彼らは遁走したのだ。
幻影を相手に翻弄され、ただの一撃を与えることもかなわずに。

まるで此所では無い、どこか遠い世界に居るかのような、呆ける男――ノベリットは

「ノベリン」

とぼそりと呟いた。
思わぬその響きに、アニエスと種田がノベリットを見た。

「ノベリン」

もう一度ノベリットが呟いた。
その口元に、つうと涎が伝った。

「ノベリン、落ちるよ」

重ねてそう呟くノベリットの瞳に、理性の明かりはどこにも無かった。
有るのはただ、星の無い夜の闇にも等しい万物を吸い込む暗黒のみだった。
種田とアニエスはその様で理解した。

ノベリット――
彼の心は最早、
すっかり此所には無かった。

匿川 名  2020-12-02 23:30
「やばい!またも放置5か月!」
突然、ノベリットは何かを思い出したかのようにハッとしてそう言った!
「ちょ、今さらなことを言わないの」
ノベリンがほわほわとあくびをしながらそう答えた!
「そろそろ年末ですねぇ」
「ここでリアルなお話をしてもアレよね」
そうだそうだ、ノベリンの言うとおりだ!

・・・というわけで、ノベリットは何事もなかったかのように盆栽樹のすり鉢を覗き込んだ。
ドゥ・ミエストは確かにすべて投入したのに、何も起きない。
「おかしいな」
「あたしに言われても困るわよ」
そうして二人は軽く首をかしげながらお互いの顔を見つめあった。
すると、


・・・ペキン

「ん?今のは何の音だ?」
ノベリットがあたりを見渡した。
「さあ、でも確かに何か音がしたわよね・・・何かしら?」


・・・ペキ、ペキペキペキ

「な、何だかヒジョーに嫌な予感がするんだけど」
ノベリットはかすかに聞こえる破裂音のようなものに微妙な恐怖を感じた。
「き、奇遇ね。あたしもなんとな~く嫌な予感がするのよね」
ノベリンが応じたその、次の瞬間!

ベキッ!!

ノベリットの足元が突然抜けて、崩れた!
「わわわ?!」
「きゃ?!」
突然激しい地響きが辺りに轟いた!
暗がりの盆栽樹の内側で、樹皮がめりめりとはがれ始めている!
「まーた落ーちるーー!」
そして暗く抜けた穴の中へと響くノベリットの絶叫!
ノベリンは慌ててその後を追い翔んだ!


匿川 名  2020-07-25 23:33
「きっとここが目的地ね。世界の盆栽樹の中心部だわ」
ノベリンはそっとそう呟いた。
「ほえ?何でそんなことが分かるの?」
ノベリットが尋ね返すと、ノベリンはそっとノベリットの右脇を指さした。
そこには、古ぼけた木の看板が一枚掲げられてあり、

『世界の盆栽樹中心、ココ』

なあんて書いてあるじゃない!
「・・・間違いない。っていうか、間違いようがない・・・」
ところでこの看板誰が書いてここに置いたんだろうなあ、なんてことをノベリットは考えたが、話がこれ以上ややこしくなっても困るのでとりあえずここは華麗にスルーを決め込んだ!!
「あ、あれを見てノベリット!」
そんなノベリットにノベリンが声をかけて、ひゅんと目の前に飛び舞い今度は左手の方をちょいちょいと指さした!
するとそこには木の根のようなモノが一部盛り上がり、中心がちょうど丼ほどの大きさで、すり鉢のような形となり、真ん中が管のように落ちくぼんでいる!
「あそこにドゥ・ミエストを流し込めばいいんだな?」
ノベリットはノベリンにそう尋ねた。
「多分そうじゃないの?展開的には?」
コメントが疑問形かつテキトーだぞ、ノベリン!
「ま、いっか。せっかく来たしなあ」
ノベリットはそう呟いて懐から茶色の小袋を取り出した。
「い、いくぞ。でも大丈夫かなあ」
袋の口の革紐を緩めながら、今更ながらに腰が引け気味のノベリットはそうノベリンに尋ねた。
「気にしたってしょうがないじゃない!そーれっと!」
「あ」
ノベリンは戸惑うノベリットの手を下から支えるようにしてひょいと舞い上がった!!
その勢いで革袋の中のドゥ・ミエストがさらさらと全部根で出来たすり鉢の中に流れ込んだ!
「わ!わ!マジか!」
慌ててノベリットは手を引っ込めたがもう遅い!!魔法の薬はすべて世界の盆栽樹の根の中へと流れ込んでしまった!

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