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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「美那子」 未来 一話

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美樹は派遣先のデパートで勤務する本宮とやはり深い関係になっていた。
これまでの誰より優しく慰められる喜びを強く感じていた。
それはある意味大人の恋だと感じられる。
若い男性のように激しさが無いのは物足りないと思う一方で、これ以上は我慢出来ないというぐらい焦らされた後の挿入は直ぐに昇り詰めることを身体が覚えた。

秀一郎は母親がまた不倫をしていることを情けなく感じていたが、口出しはしなかった。美幸も同じようなところがあるので女はそれを我慢出来ないのだと思っていた。
社会人になって美幸との交際は徐々に薄れていた。
父親と同じ銀行に就職したので忙しくてデートをする暇がなくなったのである。

それに本社の管理部に入行すると周りは美人ばかりである。
それも大人の匂いをぷんぷんさせている。
背も高くイケメンの秀一郎に注目が集まるのは予想された。
父親が同行の上司であることも少なからず影響していた。

歓迎会の後二次会に誘われて女子行員に囲まれた秀一郎は生真面目で口数の少なさも彼女たちからは高評価だった。
とかく男性上司たちは下品でとても銀行員とは思えないようなハレンチ行為を外でやっているから、エリートとはいえ控えめな秀一郎に人気が集まる。

終電時間に近くなりお開きにしようとなった時に、一人の女子行員から耳打ちされた。

「ねえ、秀一郎くん、この後私と付き合ってくれない?」

見た目少し歳上にしか見えない30過ぎの美佳はいわゆる初モノ狩りをする行内では有名な女性だったが、そんなことは知らない秀一郎は真面目に答える。

「電車がなくなるので困ります」

一応先輩だから敬語だ。

「大丈夫、私が一緒にタクシーで送るから」

「そうですか・・・他の人は誘わないのですか?」

「そうね、どうしようかしら。誰が好みなの?」

酔っているのかそんな質問に返事などしたらえらいことになるというぐらいは秀一郎にもわかる。

「そんな人いません」

「私じゃダメっていう事?」

「そうではないんですが、美佳さんがぼくなんか誘ってくれることがどうしてなのかなって思いました」

「じゃあ、決まりね。あなた飲める方だから、負けないようにしないとね、危ないわね」

「ええ?」

嫌な予感がしないではなかったが、もうどうでもいいやってこの時は感じていた。

美那子は美幸と同じ大学に入学して成人式を迎えようとしていた。母親の美樹と打ち合わせをしながら着物を買いに美樹の勤務先へ出掛けた。
社内割引があるので、表向きの販売価格が他店より高くても値引かれるから逆に安く買える。