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てっしゅう
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「美那子」 禁断 三話

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名古屋市と言えば初詣は熱田神社である。都心部にあるので車の駐車スペースはない。静子と優斗とは地下鉄神宮西駅出口で待ち合わせていたので、美那子と秀一郎が合流する。

静子が秀一郎に挨拶をした。

「おめでとうございます。覚えています?静子です」

「うん、何となくだけど、きれいになったね。美那子から聞いてはいたけどびっくりだよ」

「嬉しい!美那子ほどじゃないけどきれいになりたいっていつも思っています。今日は呼び出してごめんなさい」

「美那子に無理を頼まれたようでこちらこそ悪かったね。おい美那子紹介しろよ」

慌てて兄に優斗を紹介した。

「明けましておめでとうございます。中田です。美那子さんから聞いていたけど同じ大学で同年ですよね?奇遇ですね」

「うん、そうだね。工学部だってね。ボクは経済学部だから会う機会は無いだろうけど、これからはよろしく頼むよ」

「優斗さんと秀一郎さんは同じ大学なんだ!偶然よね。美那子もお兄さんじゃなければ良かったのにね」

静子は美那子の思いを知りながら傷口を開くようなことを言った。
四人はお参りを済ませて開いている喫茶店を探し、しばらく話をした。静子は優斗のことがタイプではなかったが付き合うと返事した。
身体が淋しく感じていたのだろうか、とりあえずは彼が欲しかったのか美那子には分からなかったが、紹介してうまくいったことが嬉しく感じられた。

昼ご飯を済ませて静子と優斗は二人でデートをしたいと言ったので、美那子と秀一郎は別れて帰ることになった。

「お兄ちゃん、久しぶりだからこの後帰るんじゃなくぶらぶらしようよ」

「そうだね。映画でも観るか?」

「それがいい!暗がりだし手も繋いでいられるし」

「そういう事か」

「嫌みたいな言いかたしないでよ」

「すぐに噛みつくな」

「ねえ?本当のこと教えて。美幸さんとは仲良くしたんでしょう?」

「仲良くってどういう意味で聞いたんだよ」

「言わせるの!男と女になったっていう事」

「そういう事におまえは昔から興味があるから聞きたいんだろう?」

「いけないの?女はセックスのことを知りたいと思ってはいけないの?」

「ハッキリと言うな。いけないとは思わないけどおれに聞くなよ。兄妹だろう?言いにくいことだってあるんだよ」

「じゃあ、誰に聞くの?」

「それは・・・わかんないよ」

「美幸さんに聞いてもいい?お兄ちゃんとのことじゃなくこれまでの男性経験の事だったら教えてくれると思う」

「美幸に?う~ん、確かにな。頼んでみたら」